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正一郎の扱い

「納得いかねぇ」


呟いてみる・・・も、誰からも返事は無い


それはそうだ、なんたって―――ここは、空の中


あの後、俺が再び奇襲したり、カウンターでまた血の中にホールインワンしたりと色々あった


しかも、最終的にはアリスに蹴落とされて、強制的に下界までのフリーフォールを体験させられている


だが、一番俺が納得いかないのは・・・体を不死にさせられた事だ


おかげで、俺には『不死身』と『超速再生』がついたらしい


『不死身』は・・・その言葉通り、死なない体になったそうだ

心臓や脳など、人体の急所を突かれても死ぬことは無く、意識が残るらしい


だが、痛覚は消えて無いらしい・・・正直、何の拷問ですかと問いかけたい


『超速再生』は・・・体をこれでもかというほどに切り刻まれても、ナノ単位で俺の体の破片同士が結合し、傷ついた部分を再生させるらしい


その際に流れた血とかも、高速で作り出すらしい

・・・全部の血が流れても、新しく作り出すのに一時間はかからないそうだ


でもまあ、やっぱり完璧という事は無く

唯一つ死ぬ方法が残っていた


全身を溶かせばいいらしい


だが、身体が常に強化された状態の俺の場合・・・溶鉱炉にでも跳び込まない限り溶ける事は無いそうだ


しかも、もう一度言うが痛覚やらは残っている


もう一度聞きたい、これは何の拷問だろうか?


そして、『不死身』のおまけとして、寿命が無くなったらしい


というか、老化する事が無くなったらしい


なんでも、俺の細胞の記憶がこの年で記録されたとかなんとか・・・よく原理は分からなかったが、そんな感じらしい


つまりは、斬られても死ななくて、歳もとらない人間おれの出来上がりだ


・・・ああ、もう駄目だ・・・もう化け物だの呼ばわりされても否定できねぇ・・・


でも、でもやっぱり―――


「納得いかねぇ――――――――――――――――――――――!!」





「・・・ふぅ、流石にこんだけ歩くと疲れるな」


疲れのせいか、何時の間にか口からはそんな言葉が漏れていた


ちょっと大きく息を吸い、強く吐き出すことで気を引き締め直す


今は甘えた事を言っていていい状況じゃないしな


だが、やはり戦場から何時間も歩きっぱなしだった疲労感は抜けない


そして、更に分からない事も有る


「そうですかー?私はまだまだ行けますよー?」


「ルシアは持ってる武器が違うでしょ・・・剣って結構重いんだよ?」


「むー、そんな事を言ったら矢だって―――」


「戦闘でほとんど矢を使いはたして、矢筒に三、四本しか残って無い者の言う事では無いな」


「ガーネットまでそんな事言うんですかー!」


・・・なんで三姉妹はこんなにも元気なんだ?


正直、付いて行けない


・・・正一郎の使っていた龍が懐かしい


「・・・ん?何か音が聞こえないか?」


突然、ガーネットが立ち止まってそんな事を言った


取り敢えず俺も耳を澄まして見る―――と、聞こえた


「上の方からだな」


見上げる


・・・逆光のせいで良く分からないが、何かがこっちに―――ん?


強烈な既視感


なんだか、最近もこんな事があったような―――


「ぐべらっ!?」


―――少し悩んでいる内に、その物体は俺達の近くの地面に落ちていた


・・・それも、何の因果か激突時に石道に直撃し、何回か弾んでから止まった


少し、目を凝らして見る―――と、その物体が人型であることが分かった


再び、強烈な既視感


取り敢えず、思い付いた単語を挙げてみる


「・・・正一郎か?」


「・・・待て、ケイン。お前は何故あの全身真っ赤な人型のモノを正一と推測した?」


「・・・いや、なんか前もこんな登場のしかたで出てきた時が合ってな」


「・・・その時点で正一が生き残っている確率は無いと思うんだが」


ガーネットが突っ込みを入れて来る―――が、無視しておく


大体、俺だってなんであいつがあの状況で生きてたのかなんて分かんねえよ


まあ、取り敢えず―――


「―――逝ったな、こりゃ」


「ああ、生物で有れば確実に逝ったな」


「多分逝ったね」


「逝っちゃいましたかねー」


皆で感想を述べ合う


その中に一つたりとも正一郎を心配する言葉が無かったのは、まだあれを正一郎だと信じ切っていないからだろう・・・うん、多分・・・きっと


正「俺の扱いがぞんざいだっ!?」


ハッハッハ、それだけ信頼されてるってこ―――げぼるっ!?


正「―――改善を要求する」


お、落ちつけ正一郎!武力は何も解決しない!むしろ無駄に戦果を広げるのは―――


正「・・・今のお前が選択できるのは、俺の立場改善か、DEADEND一直線かの選択だけだ」


・・・O・K

君の嘆願はこの作品の神とも言える立場にいる作者の私が聞きいれた

直ぐにでも君の立場改善を約束しようじゃないか

・・・だから振り上げたその手を下げてッ!?


正「・・・仕方ねぇなあ」


・・・自分の創造物に刃向かわれた神って・・・こんな、気分だったんだな


正「ほれ、なんか達観してないで次回予告行くぞ」


ん、分かった


上界でも下界でも可哀想な扱いになって行く正一郎!

背中に哀愁が漂っているように見えるのは気のせいです

次回!凱旋・・・とはいかず・・・


正「期待しててくれよな!」


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