謁見と決闘と
と、ここまでが俺の身に起こった出来事
振りかえって見ても何ら悪いとこは見つかんない
と、俺が今までのことを振り返っているとシェディが
「大丈夫ですか?具合が悪いなら先延ばしに・・・・」
「あ、いやしなくてもいいよ」
どうやら長いこと考えていたらしい
(情けないな)
とりあえず、な。
元凶のお前には言われたくないわああああああ!!
「お父様、正一さんをお連れしました」
「うむ、ごくろう」
シェディはお礼を言われた後に部屋の隅まで走って行った
「さて、まずは来てくれたことにお礼を言おう」
王様はやっぱりマントをつけていた・・・しかも赤い
そんなとこまで一緒なんだなあと思い返す
「ええ、どうも」
「君の実力はシェディから聞いているよ。シェディを助けてくれたようだね」
「ええ、はあ」
如何聞いているんだろう、正直めっちゃきになる
「そこで君にはお礼として我が国の騎士にしようと思うのだが・・・」
「ええはい、分かりました」
なぜ俺がこんなに素直に受けるかって?
それを説明するには廊下での出来事を思い返さねば・・・
回想入りまーす
シーン1
「なあ、その勧誘、蹴ったらどうなるんだ?」
「断ったらって事ですか?そうですね、不敬罪で最悪処k
「分かった!!だからそれ以上言わないで!?」
(つまりお前はハイだけ言うYESマンになればいいのだ)
日本人の美徳ですね!?
(NOと言えぬ日本人だな)
それって現代人じゃね?
「ですから、気をつけてくださいね?」
「ええ分かった」
そういうとシェディは少し笑って
「なんですか?その言い方?前と後ろがバラバラじゃないですか」
と言っていた
回想終わりまーす
と、言うことさ
まずは何事もYESの心からってことでまずは”ええ”を最初につけているのSA
何?つまりはへたれだろって?
HAHAHA!へたれがどうした!俺の七割はへたれでできているの「お待ちください王様!!」
・・・人の地の文に入ってくるたあいい度胸じゃねえか
声を出したのは一人の騎士だった
「そのような本当に強いかどうかも分からぬ少年を信用するなど少々早計です!」
「そうだろうか?」
「はい」
「ならばそなたがこのものと戦い、見極めればよいではないか」
あれ?なんか変な方向に・・・
「よいか?」
王様に尋ねられる
「ええ、分かりました」
・・・・・最後に一つ言わせてくれ、へたれ万歳・・・
「試合形式は一本勝負!先に相手を戦闘不能にしたほうの勝ち!」
審判が言う
って言うか審判はガーネットさんですか
聞いたことのある声だなあと思ったら・・・
しかも
「ふふふ、これで正一の実力が見れる」
とか呟いていた
「これより竹中正一郎対ケイン=リーセンブルクの試合を開始する、両者、前へ」
あいつそんな名前だったんだ
前に出る
「では、試合開始!!」
その声と共に突っ込んでくる
それをいなす俺
それを5回ぐらい繰り返して思う
こいつ完璧なインファイターだ
だとすれば動けなくするだけならあれを使おう
「竹中無想流術無刀壱の型”威圧”」
”威圧”は相手に恐怖心を与えるだけだ
効くか効かないかは個人差がある
・・・・・・効かないのね、それで
なら・・・・これで
「竹中無想流術無刀弐の型”幻舞”」
”幻舞”は”威圧”の第二段階で相手に幻覚を見せる技だ
「な、なんだ?これは!あいつがいっぱい・・・」
ちなみに出てくる幻影は俺だったりその人の一番嫌いなものだったりする
・・・・・この人は後者の様で、ご愁傷さま
・・・だってさあ、自分の一番嫌いなものがいっぱい迫って来るんだよ?
想像してみ?ちなみに俺の場合は玉ねぎと恐怖の代名詞の”G”がいっぱいきます
昔、爺にかけられたことがあった
まじちびるかと思った
「来るな、来るなぁああああ!!!」
おー壊れてる壊れてる
(お主も悪じゃのう)
どこの悪代官のセリフですか?それ
じゃ、そろそろ締めにしようか
狙いを定めてっと
「竹中無想流術有刀奥義壱の型”四連”」
騎士らしき男に向かって”四連”を使う
”四連”はすり足で相手の背後に高速で回りこみ四肢の付け根に強烈な一撃を与える技だ
いいところに当たれば一日は体が動かない
すり足も袴で隠されているので微妙な重心移動が見えず、結果相手にはこちらが移動している姿は見えな
い
「かはっ!」
「あー、無理に動かんほうがいいぞ?いいとこに当たったしな」
「畜生、俺はただ、認めて貰いたくって・・・」
だったら俺を巻き込むな、と言いたい
「ケインの戦闘不能により勝者は竹中正一郎!!」
ガーネットさんが高らかに宣言する
・・・あー、ガーネットさん?目が輝いてるのは俺の見間違いですか、そうですか
思いっきり戦いたいっていう意思表示してるよ
そういやそんなことも言ってたね
・・・・・はあ
気が重いよ・・・・・