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手間

風邪引いた・・・というか、唯の風邪で熱が39度超えってどゆこと?

二度目の変な色のトンネルを通った先では―――アリスが立っていた


しかも、少し出現させる座標を間違えたのか、出た地点は丁度アリスの背後


・・・どうやら、元の世界の運命の女神様は、俺の味方のようだ


―――ターゲット捕捉・・・目標との距離、およそ十メートル


出会った事もない女神様に心の中でお礼を言いながら、俺は思考を開始する


―――推奨武器・・・腕、または脚


思考の内容は当然、あんな拷問を俺に下したアリスへの復讐・・・もとい、制裁方法


―――迎撃される可能性のある武器・・・腕、脚、魔法


どうも最近、アリスは調子に乗っている

俺の事を奴隷とかと勘違いしているんじゃないだろうか?


―――迎撃された場合の最適な対処法・・・回避


だからここらで少し・・・”鉄・拳・制・裁”を加えようと思う

何?神なんだから打撃が効く訳無いって?甘いな、あんたは甘いさ


―――これらの要素を全て踏まえた上で、俺が報復に成功する確率


神だろうがなんだろうが、爺直伝の”鉄・拳・制・裁”が効かない筈がない


―――不明


・・・まあ、俺も鬼じゃない

最初の一言目が、お礼だのねぎらいの言葉だったら許してやってもいいだろう


別に確証が無い事に恐れた訳じゃない・・・ないったらない!


「アリスー、こっちだこっち」


俺は奇襲の絶好のチャンスを捨てて、呼びかけてやる


・・・どこぞの騎士王もびっくりなほどの騎士道精神だろう?


呼びかけられたアリスがこちらを振り向く


そして俺を見据えて一言


「遅かったな」


こっちに転移させたのはお前だろ、とか

だったらもっと効率の良さげな方法で血液採取させろや、とか

色々言いたい事はあったが・・・今は置いておこう


取り敢えず、俺は今やるべき事を果たす!


全力で地を蹴る

ボルトもびっくりな速度でアリスに接近し、腕を前に突き出す―――!


「”鉄・拳・制・さ―――!?」


その腕が届く前に、俺の額にとてつもない衝撃が走った

それと同時に体が浮く感覚


それが、殴られたんだと認識するのに数秒かかった


今まで見えていた景色が急速に離れて行く・・・いや、この場合俺が離れてってんのか


あー、でもこのままだと頭から地面に激突―――


ドボン


―――しなかった、なんかの液体に落ちた音と感触がする


水?・・・いや、そんなものはあの近くに無かったし、しかもこの変な匂いは―――


「ドラゴンの血ッ!?」


直ぐに体を起こし、腕を動かして浮上する


水面に出て息継ぎをする―――ついでに、見下ろすと・・・予想通り


やはりそこはドラゴンの血の中だった


「ん?ああ、悪いな・・・いきなり襲ってくるもので、つい殴ってしまった」


悪びれもせずにそんな事を言うアリス


・・・畜生!前は奇襲に成功したのに!


「全く・・・私に同じ手段が何度も通用すると思っている時点で甘いな

私と再戦するならば、新しい作戦の百や二百持って来いと言うのだ

まあ・・・手間が省けたから良しとするか」


手間?何のだよ


「ん?貴様をそこに入れる手間だ」


そこ?って・・・血の中!?


「ああ」


じゃあ何か!?俺は自分でリアル血の池地獄する為に集めてたってのか!?


「その通りだな」


・・・ブッツブス


「まあそんなに怒るな、それは貴様にとっても良い事なのだぞ?」


良い事・・・?服も体も血塗れになった事を挽回できるぐらいのか?


「ああ、龍の血には不死身の肉体にする効能があるからな」


・・・・・・・・・・・・マテ、待って、マジ待って下さい


「なんだ?」


今の所をワンモア、もっとスローリィでよろしく


「龍、の、血、に、は、不、死、身、の、肉、体、に、す、る、効、能、が、あ、る、ぞ」


マジですか?嘘じゃなく?


「ああ、マジだ」


・・・アナタ、ナニヤッチャッテクレテマスカー!?


「む?喜ばんのか?不死身、不老不死なぞ人間の永遠の夢だろう?」


不老不死っ!?俺今日からから成長しないの!?


「まあ、老いることもないからな・・・成長も同じだろう

ちなみに、その代わりに腕とか切り落とされても一瞬で再生するぞ?」


破面の超速再生!?


「心臓やら脳やらを潰されてもまたしかり、だ

まあ死ぬ方法は・・・一瞬で体全体が燃え尽きれば死ねるんじゃないか?」


そんなターミOーターみたいな死に方嫌だ!


「何を嫌がる、神よりも絶対的な不死性だぞ?

・・・ああ、確かシグルズも同じような体質だった気がしたな」


先駆者が居たのかよ!


「まあ、あやつは背中に弱点があるがな・・・確かあそこだけ龍の血を吸っていないから人間のままだ

安心しろ正一郎・・・その点、お前は完璧な不死だ」


全身血塗れだしねぇ!そんな保証欲しくなかった!


「という事で、人外への道をまた一歩踏み出したな、正一郎」


不老不死な時点で既に人外じゃないかなぁ!?


「む・・・それもそうか」


否定してくれよ!


ああ・・・元の世界に居るであろう、父さん、母さん

貴方の息子は異世界にて人外となってしまいました

しかも戦女神アリスからの認定までついてしまいました・・・


こんな事になるなら、奇襲なんて企てなければ―――


「ああ、貴様をその血の中に付けるのは奇襲が無くても決定していたぞ?

言っただろう?”手間が省けた”、とな」


・・・取り敢えず、この血の中から出たらアリスの野郎をぶっ飛ばす


・・・風邪なんて、無くなってしまえ


正「・・・顔が真っ赤だぞ作者」


熱が・・・39、3出てるんだ・・・


正「うおいっ!お前病院は!?」


行った・・・風邪だって


正「唯の風邪でそこまで!?」


うぅ・・・辛いよう


正「さっさと寝ろ!」


んじゃ、次回予告ぅ・・・


再強化?ノンノン、最強化させられた正一郎!

直ぐに用は済んだとばかりに下界に帰還させられる!

そこに待っていたのは・・・?

次回!勘違い!


正「期待しててくれよな!」


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