国を思う気持ち
サブタイって、こんなに決めるの難しかったけ・・・?
「お父様ぁああああああ!!」
近くでシェディが叫んでいる
何処までも続くかと思われたその叫び声は、唐突にシェディが倒れた事によって止まった
多分気を失ったのだろう
当然だ・・・目の前で、父親である国王が刺されたのだから
しかし今の俺は、シェディに対して気を使ってやるだけの余裕が無い
国王を刺したのはしたのはダーイン
と言う事は
―――俺が、ダーインに止めを刺さなかったから国王は殺された?
―――俺が、甘かったせいで?
―――俺が、あの時ダーインの命を取っていたらこんな結果にはならなかった?
これがアリスの言っていた事なのか?
『敵には容赦するな』・・・これを守っていれば良かったのか?
やっぱりどっちかが死ぬしか無かったのか?
両方守る術は無かったのか?
結局、殺す事でしか守る事はできないの―――
「おい!おいっ!正一郎!」
急に肩を揺さぶられて思考が中断された
俺の肩を揺さぶる手の伸びてきている方を見ると、必死な表情のケインが居た
「やっと気がついたか正一郎!さっさとあの龍出せ!」
「あ、ああ・・・」
ケインの迫力に負け、俺は光龍を呼び出す
すぐさまケインは光龍の上にシェディを乗せ、俺も乗るようにと急かしてくる
「え・・・だってよ、国王が―――」
「国王様の命令か?それはもう無効な筈だ
それに、元々気にするようなお前じゃないだろうが」
「違う!国王が死んだんだぞ!?それを―――」
お前は全く気にしてないのか、と言おうとした所でケインに遮られる
「・・・いいか正一郎、今一番大切だと思われるものはなんだ?
”もう死んだ”国王様の事を気にする事か?違うだろう?
”まだ生きている”姫様の護衛の筈だ」
「じゃあ!お前は国王が死んだ事に何とも思ってないのか!?」
ケインの言葉に俺は反論する
が、それはさらに激しい反論によって返された
「思ってない訳無いだろうが!己が仕えると誓った国王様が死んだんだ!
だがな!いま大事なのは何かを考えろ!
今ここで戸惑って、国王様に続き姫様も殺されてしまったら本当に再興は不可能になる!」
只一時の感傷と、国民全員の命!どっちが大切か位解るだろ!?」
「・・・確かに、そうだけども・・・」
でも、納得はいかない
切り替えが、できない
ついさっきまで動いて、話していた人間が今はもう死んでいるなど
「解ったんならさっさと姫様連れてどっか―――そうだな、ラスティの居た城に行け
途中の町にラスティと聖騎士も倒れてる筈だから、それも回収してってくれ
町の場所は姫様が知っているはずだ」
「おい、お前は―――」
まるで、今の言い方では自分が行かないみたいじゃないかと思った俺は尋ねる
「俺とあの三人はここに残る・・・ああ心配すんな、集合場所は伝えておくから」
そして、それは想像できる限り最悪の答えによって返された
「・・・何でだよ」
「俺とあの三人は、国王様の仇を討ってから行く」
「だったら俺も―――」
「お前はその龍を操るのに必要だろうが・・・さっさと行け、正一郎
なに、死ぬまで戦うつもりは無いさ、一矢報いたら外にある馬車でトンズラだ」
「・・・信用して、いいんだな?」
「ああ、任せろ・・・それとも何か?俺達を信用できないのか?」
「んな訳有るか」
一瞬も間を開けずに答える
ケインはその言葉を聞き、少し笑いながら、言った
「行けっ!」
俺はその言葉に従い、光龍をはばたかせた―――
アノ「ワシの扱いがぁっ!」
セ「ははは、それが所詮サブキャラの宿命よ」
アノ「うぐぐ・・・ならば貴様はどうなんだセノリよ!」
セ「儂か?儂はメインキャラクターじゃ」
アノ「何?!それは本当か作者よ!」
・・・ノーコメントで行きます
アノ「扱いがァ――――!!」
セ「ふははははは!!」
・・・さて、悦に入ってる人と絶望の淵に落ちている人は無視して次回予告です
正一郎が光龍を呼びだしている頃、もう片方の王にも凶刃が迫っていた・・・
次回!王たるものの在り方!
期待しててくれよな!
 




