種族を超えた好敵手
地を蹴ってダーインに接近し、剣を振る
ダーインもそれに合わせ、剣を振って来る
剣と剣が十字に重なった
俺はそのまま鍔迫り合いの体制に持ち込もうとする
が、いきなり右手に強い衝撃が走り、剣が吹き飛ばされた
見ると、ダーインがニヤリと嗤っていた
どうやら、剣を持っていない方の手で俺の手を攻撃したらしい
くそっ、やっぱりコイツ俺より全然戦い慣れてやがる!
だけども―――剣を吹き飛ばした程度で勝ったと思ってんなよ!
「{集束せよ}”光弾”!」
”光弾”を手の近くに出現させ、それを固めて剣の形にする
流石に、これにはダーインも驚いたらしく目を見張っている
・・・まあ、魔力の物質化が出来る奴ってほとんどいないらしいからな
すぐさま剣を作り出した方の手を突きだす
ダーインはそれを体を横にして避ける
・・・予測通り!
右手の剣を離し、左に新しく剣を作り出す
そして、新しく作った剣で横に薙ぎ払う
俺の渾身の力を込めた一撃が、衝撃波となって目の前の兵士たちを吹き飛ばしていく
しかし、吹き飛ばされた兵士たちの中にダーインの姿は無い
避けられた―――!?
とっさに一歩後ろに跳ぶ
次の瞬間に見えたのは、さっきの一撃をしゃがんで避けたダーインが
俺がさっきまで居た所に向かって、剣を突き出している光景だった
・・・危なかった、一瞬遅れていたら突き刺されていただろう
「これモ避けるカ・・・面白イ!」
「手前もな!」
まさか、さっきの一撃を避けられるとは思わなかった
一瞬前に見ただけで、俺の次の行動を予測するなんて―――面白ぇ!
・・・じゃない、恐ろしい!
最近、ガーネットさんとかの戦闘狂が移った気がする
・・・元の世界に帰る前に治せるかな?
「今度ハこっちかラ行くゾっ!」
俺がそんな事を考えて、黙っていると
痺れを切らせたのか、ダーインが突撃してくる
まあ、今はこの戦いに集中しますかね!
俺はそれを迎撃するため、再び剣を構えた
☆
横を見る
そこには、つい先程まで”生きていた”伝説の屍
あの三姉妹全員が協力し、倒したものだ
いや、三人でかかったとはいえ
伝説を倒してしまった事にも色々言いたい事はあるが、今は置いておこう
前を見る
こちらに向かってくる、”生きている”伝説が三人
・・・こいつら、どうやって倒せってんだ?
えーっと・・・三人はさっきの方法で一人一人倒していくとして・・・
残った二人を止めんのは・・・・・・・・・・・・・もしかして、俺か!?
・・・参った
正「如何した?」
・・・宿題って、こんなに時間がかかる物だっけ?
正「まあ、二時間ぐらいで終わるんじゃないか?多くても」
・・・四時間かかった俺は?
正「・・・憐れな・・・」
☆
セ「では前回に続いて次回予告じゃ!」
アー「・・・まったく、何故私がこんな事を―――」
セ「では行くぞ!次回予告じゃ!
ケインの不安!
それを全く気にすること無く接近してくるドヴェルグ三人!
はたしてケインは本当に止める事になってしまうのか!?
次回!無茶とは押し通してこそ!」
ア「期待しておれ!」