国王の異変
おや?シリアスの様子が・・・?
俺は着地した後、ケインを吹き飛ばした所に向かう
途中に居た兵士たちは、何故か全員手を出そうとはしてこなかった
俺の怒りに触れると、竜巻でも出ると勘違いしているのだろうか?
そいやさっきの竜巻って多分俺の好きな時に出せるんだよな
新必殺技、”竜巻回転切り”なんて命名はどうだろう?
・・・行ける、行けるぞっ!
これはあの爺にひと泡吹かせる事が可能なんじゃないだろうか?
元の世界に帰ったら至近距離でぶっ放してやるとしよう、四回ぐらい
と、俺が人知れず決意を固めていると、突然視界が開けた
どうやらケインを吹き飛ばした地点にまで来たようだ
肝心のケインは―――居た
兵士たちにぐるりと囲まれている
しかし、その中央に国王が居るって事は救出には成功したらしい
俺がその集団に近付いて行くと、兵士たちは蜘蛛の子を散らすように逃げて行ってしまった
・・・流石にここまで怖がられると、悲しい
いや、敵陣にいながら敵に襲われないんだから良い事の筈なんだよ?
筈なんだけどね?そこまでおびえられると少しトラウマが刺激されると言うかなんというか
「正一郎!」
と、軽くネガティヴモードに入りかけた俺に声をかけてくる人が居た
ケインだ
顔には柔らかな笑みを浮かべ、手を振りながら近づいてくる
・・・ケイン!まさかお前・・・傷心の俺の心を癒してくれようとしているのか!?
ああ、お前が友達で良かったよ!いやむしろ心の友と呼ばせて―――
そして俺の目の前まで来たケインは、振り上げた右手を俺の顔に向けて―――振り下ろした
「俺の痛みをちったぁ味わえこの野郎!」
・・・訂正、この世界に俺の心の友は居なかったようです
☆
一悶着あったが、それが済んだ後俺達はシェディ達と合流する事にした
中央の処刑台からシェディ達の居る広場の端までの間は、攻撃が皆無という訳では無く
決死の覚悟で国王に突貫する奴もいた
その大半はケインによって気絶させられ
運よくケインを抜けた奴は、俺によって青い空へと飛ばされることとなった
俺が大空に飛ばした兵士の数が、片手では数えられなくなってきた頃
ようやくシェディ達が見えた
「お父様!無事でしたか・・・良かった」
シェディもこちらに気がついたと同時に、駆け寄ってきていた
「うむ・・・すまぬ、心配をかけたな」
そう言いながら国王はシェディの頭を撫でた
「はい・・・」
頭を撫でられて
少し照れながらも、気持ち良さそうに顔をほころばせるシェディ
その姿は今直ぐ”お持ち帰り”したいほどに可愛いッ!
「国王様・・・そろそろ」
「うむ・・・」
少ししてからケインが国王に注意すると
国王は名残惜しそうにしながらシェディの頭から手を離した
「それでは行きましょう。ガーネット、ジェシカ、ルシア、追手は任せます!」
「・・・シェディよ、何処に行く気だ?」
不意に、今までの国王の声よりも数段低い声が響いた
「何処って、城に―――」
「城?王都は既に陥落しているのにか?」
「いえ、ですから他の城に―――」
「そこの城の主が裏切り者で無いという確証はどこにある?」
「国王様!貴方様の下に付いている家臣を信用できないと!?」
明らかに心配のしすぎな国王に、ガーネットさんが注意する
「この状況だ、何者も信用できまい」
そこまで言った国王の顔は、先程までの表情とは打って変わって、驚くほどに無表情だった
・・・酷い目に遭った
(全くだ、もう二度と御免だな)
ケ「お・・・前ら、なん・・動け・・・」
ん?一応は改造手術で強化されているからな
(私は元々こんな感じだ)
ケ「・・・・・・」
ケイン・・・死んだかな?
(・・・さてな)
正「・・・ケイーン!?・・・手前らぁ!ケインをよくも!」
ええええええええ!?いや待てこれはお前が―――
正「問・答・無・用!」
あばばばばばばばばばばばばbbbbbbbb何で俺だk―――
☆
(ふう・・・危ない所だったな
ヘルメットが無ければ即死だった)
@「ヘルメットハ関係無イダロウ?」
(ふ・・・無知だな、作者@よ)
@「鞭、カ?」
(ああ、貴様は無知だ
いいか?ヘルメットさえあればこの世の大半の死亡フラグは回避できるんだ)
@「ナ、ナンダッテーーー!?」
(かの赤い大佐は言った・・・
『ヘルメットが無ければ即死だった・・・』と!)
@「ホウホウ」
(そしてかの紫の大尉は撃墜されても生還した!
それは何故か!・・・ヘルメットのおかげなのだよ)
@「・・・凄インダナ、ヘルメットハ」
(だろう?今度からは寝る時も風呂に入る時も着けるといい)
@「ソウシテミルトスル」
(ふむ、分かってもらえたところで次回予告だな)
@「ウム、次回予告ダ!」
(国王の豹変!それには裏から操るものが・・・?
次回!黒幕と刺客と・・・
活目して待て!)