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竜巻

思い付いた作戦はとても簡単だ


たった三つの作業しか必要としない


第一に”風”の魔法で体をできるだけ軽くする


これに関しては何時も使っているのであまり問題は無いと思う

馬車の速度を上げるのも、これを使ってやった事だしな


第二にここから処刑台まで跳ぶ


・・・ここが問題だ


幾ら体を軽くしようとも、跳べる距離には限界がある

しかも、処刑台は広場の中心にあるのでここからも結構距離はある


それに、飛んでいる最中は全くの無防備だ

つまり、矢だの魔法だのが飛んできたら防げない


最後に、着地したら国王様を救うだけだ


ここからはもう流れに身を任せるしかないだろう


・・・恐ろしく穴だらけな作戦の気もするが、一騎当千の力も無い俺にはこれしか手は無い


「・・・行くぞ」


俺は助走をとるために、建物の端から出来るだけ離れる


んで、十分に離れたら―――


「”身体能力強化”っと」


唱えると同時に、心なしか体が少し軽くなった気がする


いや、気がするじゃなくて軽くなってるんだろうけどな?

俺には調節できないんだよな、どれくらい身体能力を強化するかは


多分それが出来るのは、魔法戦士のジェシカさんぐらいだろう


なんだかんだいってあの三人ってかなり強い方なんだよな

例え囲まれていても、一兵卒相手なら包囲網を難なく突破するだろう


・・・俺はそういう場合に何人位倒せるだろうか?


・・・・・・・やめよう、なんか悲しくなってきた


まあ!戦法の問題も有るしな!

あっちは三人として考えてるし!

負け惜しみなんかじゃないからな!


・・・まあいいや、そろそろ真面目に―――行きますか





”人獣”の使役する三匹のリザードマンが、素早い動きで父上の居る方の道上の敵を駆逐していく


その動きは、野生のそれの数倍はあり、普通の人間では目で追う事すら敵わない


まあ、本当はゴーレムを出させて目の前を一掃できれば楽だが

そんなものを出したら、魔物を倒せると言う正一郎の格好の餌食だろう、と言う事で出させていない


”人波”は、後ろからの追撃してくる兵士を、波で押し流して防いでいる


何もない所から急に現れる波には

どんなに屈強な兵士であろうとも、太刀打ちできずに流されて行く


”人面”には遠くに見える魔物使いを狙わせている


魔物を倒せるのは魔物だけ―――俺が知っている中で唯一人の例外、正一郎を除けばだが―――なので、使役している本人を叩くのが一番手っ取り早い


この三人の連携のおかげで

第三勢力の介入によって混乱していた父上の側の兵士たちは、俺達に近付く事すら敵わない



・・・俺の仕事が全く無いのは、少し疎外感があるが





「この分ならーまだまだ持ちますねー」


もう何人倒したかは分からない位に兵士たちを斬り倒した頃、不意に隣に居たルシアが呟いた


「そうだね、確かにこれなら・・・ね」


私は更に二人斬り倒しながら答えた

周りの兵士たちの何人かが、それを見て更に顔を青くした


・・・今ので兵士の反応からでも解るように、何故か敵の士気が異様に低いのだ


姫様・・・つまりは、こちらの第一王位継承者が居ると言うのだから

手柄を求めて一斉に殺到してくるかと思えば、一度に数人しかかかって来ない


まあ、それも仕方が無いのかもね

何せ・・・あれを見ちゃあ・・・ねぇ?


少し視線を反対側に向けてみる


ルシアもそれに釣られて私と同じ方向を見て―――直に視線を逸らした


多分今見た物を見なかった事にしようと思っているのだろう


・・・無駄だって、ルシア

ルシアは横から回り込んでくる敵担当だったから

あんまり見る機会が無かったんだろうけど

・・・あれは少し前からずっとあるよ?


そう、少し前からあそこは―――目視が出来るほど強力に風が渦を巻いている

それに巻き込まれた兵士たちは、皆青い空へと呑み込まれていった


・・・つまりは竜巻、しかも人工的な


何で人工的か解るかって?そりゃあ出来る現場を見たからね


そう、あれが出来る少し前、私は見たんだよ!


正一君が剣を構えながら回り、それで起こした衝撃・・・かな?によって周りを囲んでいた兵士たちを吹き飛ばした所を!


そして、次の瞬間にあんな恐ろしい物が出来ていた所を!


・・・うん、取り敢えず正一君は怒らせてはいけない人だね、絶対


オ「・・・私達の会話の続きはまだかね?アリス」


ア「・・・おそらくは、この戦争が終わるまでは続くんじゃないでしょうか?」


オ「困ったな・・・その間ずっと話し続けねばならんのか」


ア「?戦うよりかはマシかと思いますが・・・?」


オ「・・・話題が尽きたのだよ」


ア「!!」





さあ今回もやってまいりました!次回予告のお時間です!


ラ&ケ「「いぇ~い!!」」


それでは次回予告ぅ・・・スタートッ!


ラ「了解!

飛ぶ人いれば撃ち落とす人あり!

ケインは熾烈な弾幕を避けきれるのか!?

次回!DIVE!」


ケ「期待しててくれよな!」


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