俺の道
「これより、リスティーナ王国国王
アーノルド=リスティーナの処刑を執り行う!」
閣下が櫓の様な所から堂々と宣言すると、広場は歓声で沸いた
ちなみにあの櫓のような場所は王族専用の席なので
俺もそこに居なくてはいけないはずだが、居ないのに進められていると言う事は
閣下も俺が何をやろうとしているのかを、薄々勘づいているのだろう
「・・・何であの席で殺さなかったの?」
「ん?あんな場所で殺しても、直に兵士たちに狙い撃ちされて終わりだからな」
それを見ていた”人獣”が尋ねてきたので、俺は簡潔に答えてやる
”人獣”はそれを聞いて、納得したのかしていないのか良く分からない表情で黙った
それよりも・・・今はいつ実行に移すのかを決めなきゃな
実行に移すなら、国王が処刑される前が一番良い気がする
・・・この直感を信じるべきか、それとも疑るべきか
☆
宣言してから少しすると、アーノルド連れて来られた
服装だけは一国の王にふさわしいものだが、それは拘束された状態ではとても滑稽に見えた
そして処刑台の上に上がると、兵士たちが体を押さえつけ、斬頭台に装着した
後は指示を出すだけで終わりだ
すぅ、と息を吸い込む
そして指示を出そうとした瞬間―――飛来する矢に阻まれた
少し狙いが甘かったのか、顔の少し横を飛んでいく矢
儂は直に矢の飛んできた方向を向き、矢を放ったであろう犯人と、指示したであろう者を見つけた
”人面”と―――アレックスだ
☆
結局、俺は自分の直感に従う事にした
・・・まあ、抜群の好機だったであろう一射は外れてしまった訳だが
「申し訳ありませんでした、アレックス様」
「ん?気にすんな、誰にだって失敗はあんだろ」
流石にそこまで事が上手く運びすぎても不安だしな
ついさっきので市民たちが騒いでいる
・・・今はこの騒ぎを大きくし、それに乗じて殺害するのが吉だな
「よく聞け!」
精一杯声を張り上げ、俺の声が広場中に届くようにする
いや、端の方に届いているかまでは微妙だが
「今ここに、俺ことアレックス=ティルトは、帝国よりの離反を宣言する!」
途端に、更に騒ぎが大きくなる
もはやざわざわではなく、がやがやと言った様子だ
「理由は閣下の散発的な戦争方法だ!
これでは兵も疲労し、戦地の民は焼かれ、戦地では無い地域の民も重税に苦しむであろう!
だから俺は俺のやり方でこの戦争を終わらせて見せる!
俺の目的は大国小国問わず全てを制圧し、大陸を制圧する事だ!
そして未来永劫このような戦争の起きない世界にする!
たとえ暴君と貶され、罵られようとも、だ!」
・・・大半の市民は口を開けてぽかんと俺の方を見ている
だが、これから起こる事にいち早く気がついた奴らは、そそくさと広場から離れようとしていた
「もし今の俺の言に少しでも共感できた者がいたら、武器を捨てろ!
これより俺達は現帝王の排除に移る!行くぞ!」
俺がそこまで宣言した所で、”人面”がパチン、と指を鳴らす
すると、俺の周りに居た市民たちは何時の間に入れ替わったのか、兵士になっていた
いや、これは入れ替わったと言うよりは・・・
「”人面”、最初っから変装させてやがったのか?」
「ばれてしまいましたか」
いや、ばれるだろうさ
「まあいい、行くぞ!」
『おー!!』
俺は一致団結した声を背に受けながら、駆けだした
時間がないぜッ☆
ケ「語尾に☆つけんな、そんなキャラじゃないだろお前」
気にするなッ!気にしたら馬に喰われろ!
ケ「ろ!?喰わせる気満々かお前!」
ふふふ、気にしたな?
あれ程忠告しておいたのに・・・お前って奴ぁ・・・
仕方ない、それがお前の望みなら!
行けッ!俺のペットの世にも珍しい食人馬!”ポニー君”!
ポ「ヒヒーンッ!」
ケ「可愛い名前とは裏腹に血だらけの馬が俺に向かってきているんだが!?」
モテモテだな!
ケ「絶対に違うだろうがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――」
あ、・・・喰われたな、・・・まあ気にすることなく次回予告、さッ☆
ラ「ケイーン!?」
確立する対立関係!お互いに裏の裏を突き続ける二人!
勝つのはアレックスか!?それともセノリか!?
次回!頭脳戦!
楽しみにしててくれよな!
ラ「そっちよりも先ずケインの心配じゃないの!?ねえ!」
ラスティ、諦めろ、・・・もう無理だ
ラ「諦められないって!」
・・・はぁ、気にしてしまったな?
仕方ない、行けッ!”ポニー君”!
ラ「うわぁぁぁぁぁぁ!?こっち来たぁぁぁ!?」
仕方がなかったんだ・・・分かって、くれるよな?
ラ「じゃあ顔がニヤケてるのはなんなのさ!!」
これ?デフォ
ラ「嘘だッッッッ!!―――っ!?」
あ、喰われた
・・・相方が居なくなっちゃったんで、また次回!