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孤独な戦い

「この部屋か?」


部屋の扉に書かれた番号を確認する


『113』


よし、宿屋の主人から脅s―――聞きだした番号と一致してる


だとすると、先程の槍使いの男は隣の部屋か


・・・正直、今直に再戦したい。だが、せっかくの好機を

そんな事で台無しにしてしまうのも勿体無いので、全力でその欲求を抑えつける


「・・・よし」


気持ちを固め、扉を蹴り破ろうとした瞬間―――扉が、開いた


開いた扉の中に立っていたのは、大会の時に組んで出た奴だった


「貴様ら!そこで何をしている!」


男がこちらに問いながら、後ろに跳びのいた

・・・見た所、丸腰だ

そしてその後ろには、とても一般人には見えない服装の男が一人


多分あいつがリスティーナの国王だろう


見た所、他の騎士が潜んでいるようにも見えない

ならば、目の前の奴一人倒せばいいだけか


「もう一度問うぞ、そこで何をしていた!」


俺が如何口を開いたものか思案していると、目の前の男がさらに追及してきた


「俺達か?・・・そいつを暗殺しに来た者さ」


もう隠しても意味は無いはずなので、そう言って後ろに控えている男を指さしてやった

指さされた男は、ブルリと身を震わせた


「貴様っ!ラスティが言っていた暗殺者か!」


案の定、目の前の男は激昂し、態々後ろの奴の正体までばらしてくれた





「貴様っ!ラスティが言っていた暗殺者か!」


私がそう言うと、目の前の男は唇を歪ませた


そこでようやく気がついた

今の発言は後ろの方が陛下だ!と堂々と宣言しているに等しい事に


「・・・よし、今ので確証も得られたな」


・・・くそっ!失言だったか

しかも間が悪い事に今私は愛用の剣を持っていない

最悪だ、最悪の状況だ


・・・仕方がない、自分の失敗は自分で取り戻す


「陛下、奴らを倒す許可を!」


「う、うむ!許可する!」


・・・先代様、先々代様

敵の前で秘伝を見せる私の愚かさを許して下さい

ですが、今は陛下の身の安全が第一なのです


「不死の神、シグルズよ!

今我に力を貸したまえ、目の前の敵を打ち砕く力を

出でよ魔剣”グラム”!」


私が詠唱すると、手の中に宝石などで装飾された剣が現れる


この剣の名は、”グラム”

その刀身は氷よりも冷たく、龍の鱗ですら諸共せずに切り裂く

かつて不死の神、シグルズが悪龍ファフニールを切り殺した時に使ったと言われる剣だ


・・・この剣の召喚魔法は、わが家に代々秘伝として伝わっている

それを知っているのは、国王様と使い手だけという、まさに門外不出の秘伝の魔法だ


「へえ、召喚魔法か」


男が感心したような声を上げる


「如何してこの国の騎士は良い人材が多いのかね・・・」


「・・・血は争えませんね」


後ろに立っていた女が口を開く


「いや、別に部下に欲しいとかそういう訳では無くてな」


「おや?閣下の全て超える筈では?」


「・・・・・・訂正だ、超えるべき点のみにおいて超えてやる」


・・・閣下?超える?

何だかは分からんが、話しこんでいて隙だらけだ


「来ないのなら―――こちらから行くぞ!」





「来ないのなら―――こちらから行くぞ!」


そう言った後の男の動きは素晴らしかった

接近、剣の振り上げ、そして振り下ろし

それらを全て一瞬で行ったのだ


確かに早い、早いが―――


「速さを操る俺より早くなれると、思うな」


体を横にそらし、避ける


「くっ!」


避けられたと分かった瞬間に、男は次撃を放とうとする


だが


「遅えよ」


問題無く動く左手で男の顎を撃ち抜く


吹き飛んで行く男


そして、頭をしたたかに部屋の壁にぶつけた


あれならば既に戦闘続行は不可能と見て、俺は部屋の奥に進もうとする


「待て、まだ終わってはいないぞ!」


しかしそれは、男の声によって遮られた


―――まさか、まだ続ける気か?


驚いて声のした方を見る


するとそこには、剣を杖の様に突いて立ち上がろうとする男がいた


・・・如何してこう、この国の奴らは往生際が悪いのかね





痛い


顎を殴られ、脳を揺らされたのか、意識が朦朧とする


意思を弱めれば、既にでも気を失いそうだ


「そのままにしておいた方がいいぞ、そうすりゃ見逃してやる

無駄な殺戮は好きじゃないんでな」


「・・・冗談を言うな、陛下に危害を加える者を見逃すわけが有るまい」


「・・・立てば殺す、そう言ってもか?」


「当然だ、陛下は私を信頼していると仰った!

その信頼にこたえずして何が臣下か!!」


気力のみで体を起き上がらせる


「・・・はぁ、仕方ねえな」


男は再び構える


「全力には、全力で応えてやんよ!」


何時に無く熱血展開だぁ~


正「この小説らしくないな」


ま、あいつ等がそう言う奴だったんだな


ラスティは皆の為


”聖騎士”は国王の為に命を張れる奴だったって事だ


正「俺は何に張れるかなぁ・・・」


(勿論私だな!)


正「いや、候補にも入ってねえよ」


(・・・”超過重圧”)


正「地に足がついてる状態でそれは止め―――骨が!骨がぁぁぁ!!」


(ああ、背骨が折れない様に努力しろよ?

死んでしまったら私に尽くす者が居なくなってしまうのでな)


正「だったら手前が加減し―――より一層重くなったぁぁぁあ!?」


・・・死人が出る前に次回予告!


そして”聖騎士”は最後の勝負に出る!

闘いの結末を見逃すなッ!


(次回!意思は悲しく儚く!)


皆!期待しててくれよな!


(さぁ~て正一郎、私が直々に調教してやるとしようか)


・・・・


正「ちょ、助け―――


・・・死ぬなよ、主人公


ではまた次回!


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