帝国の台頭
決まらない、サブタイが決まらないんだぁっ!
気がつくと、僕の体は仰向けになっていた
体の上に毛布が被せられている
目を開けると、そこは知らない天井だった
・・・あれ?僕は―――
「気がついたか、ラスティ」
頭の上の方から声がした
この声は・・・大会で有った寂しがりやさんかな?
「気がついたのなら話せ
何故往来の真ん中で気絶などしていた?
遅すぎるから心配して見に行った我々がいなければ
貴様は今頃何かに潰されていたぞ」
・・・そっか、確か僕は―――
まだ起きたばかりで、不明瞭な頭を動かして
気絶する前の状況を思い出してみる
暗殺者の二人組に逢って、戦ったら
男の人の方がとても強くて
でも戦闘不能ぐらいにはしておいたし
・・・まてよ、最後にあの二人は何て言ってたっけ?
さらに集中して思い出そうとする
暫く努力して、ようやく思い出す事が出来た
『・・・何、まだ機会は有るはずだ』
「国王様が危ないっ!――っつぅ・・・」
僕は反射的に体を起こそうとして、腹部の痛みに顔を歪める
「おい!まだ起き上がろうとするな!
外的損傷は無いとはいえ、臓物の損傷ぐらいなら有ってもおかしくない!」
慌てて止めてくる寂しがり屋さん
「でも・・・守らないと・・・」
「一体何から誰を守ると言うのだ?
この町に的など居る筈が―――」
「居るんだ、敵が・・・
国王様がこの付近に居る事を知っている奴らが・・・」
「何?」
「・・・僕が倒れてた理由もその敵の襲撃によるものなんだ
敵は二人で、・・・・・・一人は多分戦えないだろうけど」
・・・戦えない、筈だ
なにせ肩を破壊したんだ
外した位だったら嵌めるだけで十分戦えるけど
骨自体を破壊したのだから、不可能なはずだ
「・・・その程度の奴等なら警戒する事も無いだろう
護衛にはちゃんと姫様の護衛組がついている
・・・それとも、一対三で戦えるほどの強さなのか?」
「・・・取り敢えず、戦闘不能にしておいた人の方は、ね」
それは本当だ
あの攻撃だって、察知されていたらかわされていた可能性だってある
毎回違う軌道を描くとはいえ、二度目は無いだろう
・・・つまり、あれは本当に幸運だったとしか言いようがない
「・・・なるほどな、一応伝えておくとしよう
だから今はゆっくり休め
そんな奴らがまだ我々を狙っているのだとすれば、戦力は有るに越したことは無い」
「分かったよ、君も気を付けてね?」
「ああ、油断などはしない」
寂しがり屋さんはそう言い残して、部屋を出て行った
・・・良かった、これで一安心だろう
護衛の三人も、寂しがり屋さんも、平均以上の力はある
その四人が結束して護衛にあたるのだとすれば、安心だ
そう考えると、少し気が弛んだのか、眠気が襲ってくる
・・・護衛は任せたからね、皆
☆
「報告!城内に敵の姿は確認できず!」
「・・・逃げられたか」
してやられたな
敵の将にも大局を見る目はあったか
しかし・・・
城内に入り、辺りを見回す
混乱した市民もいなく、敵兵の姿は全く見えない
見事なまでの撤退だ
追撃隊を編成してはいるが、この分では無駄かもしれぬな
そこまで考えて、思う
・・・何故奴の所には有能な人材が集まるのだろうか
「市民は闘技場の様な場所に集まっているとの事!如何様にに致しますか?」
考えにふけっていると、不意に次の伝令兵がやってきた
ふむ・・・
「態々虐殺で反感を買う必要もあるまい
反抗した者のみ、殺処分を許可する」
「はっ!」
儂の指示を伝えるために、走ってゆく兵を見ながら、私は次の手を考える
「・・・やはり、手薄であろう他の城を一気に攻め落とすか」
そうすれば一気に大陸統一に乗り出せる
そして、全ての城に必要なだけの兵を配置出来るだけの戦力は有る
全ての城を落とせば、その内の一つに必ず潜んでいるだろう
「・・・そうじゃな、そうするか」
考えをまとめきる
だが、目下のやるべき事はこの城中の捜索だ
だとすると、その作戦実行は数日後になるか
♪~♪~♪~
(どうした?昨日とは打って変わってご機嫌じゃないか)
ふっ!他人の幸せは自分の幸せさ!
(?)
今日は兎桜さんの誕生日です!ぱちぱちぱち~
(おお、それはめでたいな)
うむ、めでたいな
(・・・そう言えば、他人の幸せは自分の~と言っていたが
他人の不幸は自分の不幸か?)
いや?蜜の味だが?
(・・・貴様、かなり腐っているな、人間として)
いやいや、お主程では
正「苦しくなって来た所で次回予告!」
再来する脅威!
次回!一度ある事は二度あり、二度ある事は三度あ(ry
(活目して待て!)