航空輸送
書きあげたのは十分前、さっ!
・・・まだ水曜日、だよね?
「よし!飛んでくれ!」
「分かりました」
俺は光龍の背に乗って、指示を出す
光龍が羽ばたき、だんだんと体が浮かび始める
「おおおっ!」
「ど、どうなっているんだ!?」
それと同時に兵士たちを乗せた板も浮かぶ
兵士たちはいきなり板が浮いたのが理解できないのか、驚きの声を上げる
(・・・ほう、なるほどな)
ん?種も仕掛けも見破りやがりましたかアリスさん
(まあな、結局は板に付けた紐を光龍の体に付けて、飛ばせただけだろう?)
大正解だ
(ふむ・・・それにしても、よくこんな突飛な発想が出たな)
ああ、元々のイメージは気球だぞ
(気球?)
俺の居た世界に有った
ヘリウムガスで浮かぶ乗り物だよ
本当は落された時に使おうと思ってたんだがな
それにしても、お前が知らないなんて珍しいな
(・・・一応、それなりの知識は付けておいたつもりだったのだがな)
んー、確かに最近は一部の愛好家ぐらいしか乗らないかもな
(むう・・・)
アリスがそう言って黙ったと思ったら
「正一郎!浮いたのは良いが何処に飛ぶんだよ!」
下からケインの声がした
少し声が大きいのは羽音でかき消されないためだろう
(ダジャレか)
ダジャレじゃねぇよ
「決まってるんじゃねえのか?」
「決まってねえよ!」
マジか
このままだと、唯当ても無く空中散歩する羽目になっちまう
「じゃあどっち側から馬車が出て行ったか教えてくれ!」
「正面門だ!」
正面門、ね
作業中に聞いた話ではこっちは裏門らしいから・・・
「光龍、反対方向に方向転換してくれ!面舵だ!」
「分かりました」
言うが早いか光龍は、直に体を斜めに傾けて方向を整えようとする
・・・やばい、落ちそう
掴むとこがねえから首に手を回すしかないんだが・・・
巨大化させたせいで手を回すのが不可能になってる
「正一郎!もう少しゆっくりと!」
切羽詰まったようなケインの声
「無理だ!俺の加減じゃねえ!」
事実、俺も落ちそうだよコンニャロー
俺が何とか落ちないように、暫く悪戦苦闘していると
ようやく傾いた状態から解放された
「「「た、助かった・・・」」」
下から安堵の声が聞こえる
しかし、休めるのも一瞬だった
何故なら、直に光龍が凄い速さで飛び始めたからだ
くそぅ、こうなるんだと分かっていれば
カッコつけて背中に乗る事はしなかったのに!
落ちそうになりながら、そんな事を考える
そして本格的に落ちかけた瞬間、有るものが目に入った
下の板を支えている紐だ
あれさえつかめれば・・・
俺は出来る限り手を伸ばし、紐を―――――掴んだ!
これで一安心できる
・・・確かにこれは沢山の人を一気に運べて便利だけども
改善すべき点は沢山あるな、うん
光龍が飛んでいる間
俺は改善策を考えながら、時間を潰した
・・・その間、下から聞こえてきていた
『落ちるぅ!』
やら
『ギャース!』
等の悲鳴は無視することにした
まあ、本当に落ちた奴はいなさそうだし、大丈夫だろう
正「・・・如何した作者よ、そんなに傷だらけで」
いや・・・少し闘ってきただけだ、気にするな
正「気になるわ!」
ん?詳細でも聞かせてやろうか?
正「頼む」
そうだな・・・簡単に書くとこんな感じだ
『ふははは!貴様の毎日更新もここでゲームオーバーだ!』
『くっ!』
『大人しく今日の更新を諦めるがよいわ!』
『どけぇ!更新は遅れられないんだァ!!』
『何ぃっ!?何処にそんな力が残っていたと言うんだッ!?』
ドッカーン
『ふっ・・・俺は読者様の為なら無限の力を発揮できるのさ!』
・・・って感じだ
正「嘘だッッッッッッッッッッッ!!」
(次回予告だ!)
正「王国の敗北、ゆっくりと歪んでゆく歯車・・・
次回!合流
期待していてくれよな!」