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準備

「し、死ぬかと思った・・・ありがとな」


正一郎の第一声はそれだった


まあ、こいつの身体能力が普通じゃないのは理解していたつもりだったが

あの正門の跡から見て、魔法技術もかなりの物の様だから

多分魔法でも使ったのだろう


と、すると強化か何かか?

しかし・・・


落ちた後の穴を見直す


あんな跡がつく位の高さから落ちて平気って・・・

一体どれだけ強力な強化を掛けたんだ?


「お前らずっと黙って・・・どうした?」


正一郎が訝しげに尋ねてくる


「ん?ああ、すまん。少し考え事しててな」


黙ったままの兵士たちを代表して俺が応える


「お、ケインか。丁度いい、今の状況を説明してくれ」


「今の状況・・・戦況って事か?」


「いや、何で全員戦闘準備してんのかって事」


「何でってお前・・・帝国の奴らが攻めてきたからに決まってんだろ」


「は?気絶してる筈じゃ・・・」


気絶?・・・ああ、正面門の事いってんのか


「あれはティルトじゃなくてウェリアだ。旗の模様とか鎧の形状とかが違うだろうが」


「・・・・・・」


黙り込んで何か考えるようなしぐさをする正一郎


・・・偶にこいつはこういう動作をする時が有る

癖だろうか?


「・・・ったく、手前、覚えとけよ」


「ん?何か言ったか?」


「いや、何でもない。で、敵の数は?」


敵の数か


あーっと・・・五万対千ぐらいだから


「こっちの戦力の五十倍だな」


「・・・・・・じゃあなんで戦おうとしてんだよ」


「国王様をより無事に逃がすために必要だったんだよ」


「だったら!全員で逃げればいいじゃねえか!」


正一郎の語気が荒くなる


「そうもいかねえ、俺達が門の奥で待機してないと知られたら一気に攻めてくるだろう

そしたら逃げる方と追う方、どっちが早いと思う?」


「・・・・・・逃げる方」


少し考えた後に正一郎が答えを出す


「違うな、追う方だ。何でだ?って顔してるな

じゃあ言うが、逃げる方は徒歩が大半

対して追う方は機動力の高い騎馬隊を中心に組まれている

・・・何でだか分かったか?」


「じゃあ俺達が今から騎馬隊よりも早く逃げたら生き残れるか?」


「多分な、だが今そんな手段はねえだろう」


俺がそう言うと、正一郎は少しの逡巡の後こう言った


「・・・いや、有る」


「・・・どんな手段だ?」





「・・・正一郎、この作業に意味が有るのか?」


自分の分の作業を終えたケインが尋ねてくる


「有る、これで何とかなる」


「・・・なら良いんだが」


そう言うとケインは黙って辺りを見回しだす


ちなみに今やらせているのは板と板を組み合させる作業だ


兵士総出で作っているので、完成まではあと端っこの兵士たち紐を付けるのを終えるだけだ


そんな事を考えていると、ケインの部下の兵士が走ってきて、言った


「正一郎様、全員の作業が終了しました」


「オッケー、分かった」


「で、俺達は如何すればいいんだ?」


ケインが尋ねてくる


「作った板の上に全員で乗ってくれ」


「・・・そんな事でいいのか?」


「いいんだよ」


「・・・今はお前を信じるか」


そう言うと、ケインは兵士たちに乗るように指示を出す


・・・よし、これで完璧だ


(何がだ?)


ん?準備が、だよ


(何の準備だ?今まで見てきたが全く見当がつかないぞ?)


まあそうかもな、ゆっくり見物してろ


「{肥大せよ}{増幅せよ}”光使、光龍”!」


ぼん、と巨大化した光龍が目の前に現れる


俺は光龍に指示を出す


「・・・そんな事でよろしいので?」


「いいんだよ」


俺がそう言うと、光龍が疑わしげにしながらも指示に従う


何故皆信じないのだろうか


・・・ああ、この世界に無いからか


ま、いいか


「正一郎!こっちは準備が終わったぞ!」


「マスター、終わりましたが」


「よし、分かった」


これで完璧だな、後は上手くいく事を祈るだけだ


(で、結局どんな作戦なんだ?)


正「そうだな・・・名づけて!

”俺が前線に出て敵を殲滅!そして英雄として讃えられる大作戦!”だ!


(すまん、貴様に聞いた私が馬鹿だったようだ)


正「ちゃんと突っ込んでくれよ!?」


多分半分くらいの読者様は気がついてるだろうけどな


次回予告!


正「MU・SI!?」


(この状況から脱出する術とは一体!?

次回!撤退?違うな次への伏線さ!

活目して待て!)


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