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ギオ君の包帯作りを手伝ってる中、やっぱりあの緑髪のエルフの子は私をずっと見てくる。何で話しかけてこないのだろうか?私が怖いのかな?!見た目こんなにも愛らしいのに……。
「あの、私に何か用があるのかな?」と話しかけたら、「いえ、あの、えっと……」と慌て始めた。
「慌てなくて大丈夫だよ。私に何か用事かな?」
「チカ様は……私をお嫌いですよね……」と、しょんぼりしながら緑髪のエルフの子は走って逃げて行った。
「何か言い逃げされた〜……」
「サティお姉ちゃんはね、純粋なエルフじゃないから逃げちゃったのかも」
「追いかける」
純粋なエルフじゃないと何かあるのかな??理由が分からなすぎる。何もしてないのに嫌ってると思われたくない。悲しいもん……。
「ギオも!!」と手を挙げ尻尾をピーンとさせるギオ君は、控えめに言って……いや、めっちゃ可愛すぎるのだが!?
ギオ君と緑髪のエルフの子を城の中を探す旅をしてる中、皆を観察してると掃除をしてる者や魔力循環をしているみたいだ。皆それぞれ頑張っているみたいで嬉しい。
「サティお姉ちゃん見つからないね」
「そうだね。どこにいるのかな?」
「チカ様達何をしているんですか?」と執事服を袖捲りをしているカヤ君に出会った。白蘭と同じで執事服が似合いすぎてる……。
「緑髪のエルフの子探してるんだけど知らない?」
「サティラですね。図書室の方向に走って行くのを妹が見たみたいです」
「図書室の方向ね!……カヤ君は何してるの?」
掃除をしている訳でもなくて魔力循環をしているようにも見えないし、何をしているんだろう?
「この城に何があるのかを確認しているのです。ハクランさんはちゃんと分かっているのですが、僕は分からなく迷惑を掛けるのは嫌なので」
「そっか!ライカちゃんは?」
「妹はオージュに稽古をつけて貰っています。あれはまだまだ弱いので、主であるチカ様をお守りする所か逆にされてしまうので」
「そ、そっか!じゃあ、私達はもう行くね!」とカヤ君からそそくさと逃げた。ライカちゃん……稽古頑張って!応援してるよ〜!
図書室の目の前に着いたけど……緑髪のエルフの子いるかな?
「サティお姉ちゃんいるといいね」
「そうだね」と言いながらギオ君の頭を撫でたら喉をゴロゴロさせ始めた。獣人ってなんでこんなにも可愛いのだろうか……。差別される理由がほんっとに分からなすぎるよ。
図書室の中に入ると緑髪のエルフの子はいた。本を見ながらぼーっとしているようだ。
「サティお姉ちゃん」
「ギオ?……チカ様?!」
「ねぇ、何で逃げるの?私貴方のこと嫌ってないよ?」と無害アピールをした。
「私は……獣人とエルフのハーフなのですよ?……天使であるチカ様は私を嫌っておいでですよね」
「え?!そんなことないよ!!嫌ってないよ!!」
何故何も悪いことや私が嫌なことをしてなくて嫌ってるって話になってるの?!私そんなに性格悪く見えるのかな……。
この緑髪のエルフの子と仲良くできたら嬉しいなあ。




