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「やってしまった。寝落ちした……」
コンコンとドアがノックされた。白蘭だよね?このお城に今いるの私と白蘭だけだし。
「ハクランです。チカ様入ってよろしいでしょうか?」
「あ、うん!!いいよー!」
「失礼致します」
白蘭ってほんと礼儀正しいな。もうちょっと砕けてていいのに。あれ?というか執事?服着てる。何で?訳分からなすぎる。
「白蘭何で執事服着てるの?」
「アイユンダ様から全て頼むと頼まれましたので。執事が妥当だと思いこの服を着ました。似合っていませんか?」
あれ?耳と尻尾無いはずなのにぺしょんってしてるように見えるのは何故?!狼が子犬に見える!これが世に言うギャップ萌えと言うやつか!
「え?!似合ってるよ!似合いすぎてる!!」
「ありがとうございます」
白蘭んーー笑顔が、眩しすぎるよ。これはモテる!絶対!!モテなかったら可笑しいもん。前世イケメン見慣れてるから平気だけど……サングラス欲しいな。
「うん!朝ご飯にしようか!」
「はい」
「朝ご飯は目玉焼きとベーコンとお味噌汁にしよう!」
「楽しみです」
15分後朝ご飯は作り終わった。この世界にも地球と同じ食べ物ってあるんだ。普通?だったら無いっていうのが小説では定番だよね?
「チカ様は料理上手ですね」
「え?そんなことないよ!普通普通。あはは」
「お上手ですよ!」
「……ありがとうぅ」
こんなに言われると照れる。前世は手料理食べてくれる相手いなかったからなぁ……誰かに食べて貰えるのって嬉しいな。
「よし!食べ終わったしお城の探索はじめよーー!!」
「はい」
出来るだけ今日見て回ろう!!すっごい広いから見て回れる気がしないけど。
「探索しながらこの世界の事教えて欲しいんだけどお願いできるかな?」
「はい。大丈夫ですよ」
「ありがとう!まずは、この世界はなんて名前なの?」
この世界の名前から知らないんだよね。やばいよなぁ……神様教えてくれなかったし。絶対教え忘れだと思うんだよね。普通名前くらいは教えてくれるもんだもん!!
「かしこまりました。この世界はナターハサラと言います」
「へぇ。じゃあ、私が今いるこの森はどこなの?」
「……ここは暗黒林と言います」
「ん?暗黒??え?名前からやばくない?え??」
私やばいとこにいるよね?暗黒って言うくらいだし。これ私テンパっても可笑しくないよね?
「……はい。普通の者は入りはしないです。魔獣がうじゃうじゃいますので」
「あはははー……はぁ……」
「あの、」
「白蘭が謝る事じゃないから大丈夫だからね?悪いのは神様だから!」
「あ、はい」
「で、ここ暗黒林?の側に国とか街ある?」
「3時間程歩いた所に街はあります」
3時間……遠いな。何キロくらいあるんだろ?5歳児の足だとどれくらいかかるかな。
「そう。その街はどんな街なの?」
「冒険者の街と言われるくらい冒険者が多い街です。」
「へぇ。じゃあ、賑わってるんだ!」
「はい。色んな種族がいますよ。」
色んな種族……獣人もいるよね!!絶対!!猫の獣人見たいなぁ……
「その街の名前は??」
「サファーファと言います」
「サファーファ……へぇ」
いつかサファーファ行ってみたいな。色んな種族見てみたい!!で、友達になりたい!目指せ友達100人!
「あ、ここ図書室?」
「はい。ここはチカ様の前世にあった本もあるそうです」
「え!ほんと!?!わー!それはめっちゃ嬉しいなあ!もしかして、マンガとかも?」
「はい。あるそうですよ」
マンガもあるとか最高すぎるよ!!私マンガ超超好きだし。ここだけは神様やるじゃん!!ここに通い詰めしそうだよ〜!たっくさん読もっと。
「やった!……ずっと気になってたんだけど、白蘭私の前世の世界知ってるの?」
「はい。アイユンダ様からサポートするのに、チカ様の前世の世界を知らないと大変でしょ?っと色々教えて貰いました」
「へぇー!そうだったんだ!」
「はい。この世界の事も隅々まで分かるのでなんでも聞いて下さって大丈夫ですよ」
すっごい心強い!これなら生きていけそう。はあ……よかった〜!言葉悪いけど歩く辞典だな。あはは!!
「ありがとう!!」
「これでほとんど見て回れたかな?」
「そうですね」
ほんとに広いな。2人で暮らす分には広すぎるよなぁ……もふもふ沢山連れてこれる。