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明日は投稿をお休みします
ギルマスに通されたのは応接室だった。ギルドにこんな綺麗な部屋があるとは思わなかった。
「貴方様はどうしてこちらに?」とギルマスから丁寧に聞かれ私はびっくりした。さっきまで軽い口調だったのに、普通の仮冒険者に丁寧口調だからだ。しかも、空気が少しピリッとした気がする。
「あの、どうして敬語なんですか?私普通の仮冒険者ですよ?」
「人間に擬態してますが、私はハイエルフなのです。ですので、貴方様が最上位の天使なのは分かるのです」といい指から指輪を外すと、綺麗な金髪で翠色の瞳が現れた。髪の毛をずらし耳がとんがっているのも見せてくれた。
「天使様が聖域を出られるとは何かあったのですか?」
「何もないですよ?ただ冒険者になりたかっただけです」
ギルマスは少し警戒しているようにも見える。白蘭はギルマスを敵視をしていないから、多分大丈夫だろう。
「そうですか……自己紹介が遅れてしまいすみません。私はここのギルドマスターをしている、ゼオン・ウィスカと申します。貴方様達のお名前を伺っても」
「チカです。家名はないのでチカと呼んで下さい」
「ハクランだ。好きに呼べ」
やっぱり白蘭は私以外にはぶっきらぼうだなあ。私以外でも笑顔で話せる人って現れるのかな?
「チカ様にハクランですね……なるほど、フェンリルがいるからチカ様は警戒心がないんですね」
「え?!ありますよ!」
「いえ、ありませんね。いくら、ハイエルフが天使族に仕えるのが習わしとはいえ警戒するのは当たり前です」
あ、ハイエルフって天使族に仕えるのが習わしなんだ。というか、ライマ君にも言われたけど警戒心ないって言われるって……。
「むぅ。あるのにぃー」
「天使族は年齢に見合わず大人っぽくなるとはいえ、今のは子どもらしいですね」と微笑まれてしまった。やっぱりこの世界はイケメン率が高いと思うわけよ。出逢う人出逢う人地球でトップアイドルとかになれそうな人多かったもん。
「チカ様は仮冒険者から冒険者になった方がいいですね」
「え?何でですか?」
「そうしなければゲスな貴族に狙われてしまいます。幾ら人間に擬態していても今のお姿でも狙う人は狙いますので」
この完璧見た目のせいで生活するのも大変なのどうにかならないかな?狙われるのとか面倒臭いんだけど……。
「分かりました」
「すみませんが、ランクはFランクからとなります。仮冒険者が急にランクが上位からとなると注目されてしまいますので」とゼオンさんは気遣ってくれた。こういう気遣いができる人って凄いモテるよね。
私が読んだ異世界転生系の小説では、急に上位からのランクとかから始まるの多かったし。読んでる分には面白いけど、いざ自分がってなると注目を浴びるから嫌だな。
「分かりました。お気遣いありがとうございます」
「チカ様は……天使族っぽくないですね」
「え?そうですか?」
「チカ様天使族は偉ぶってるのが多いのです」と白蘭が耳打ちしてきた。
「はい。貴方様みたいな方は初めてお会い致しました」
天使って慈愛の如く優しいイメージあったのに……偉ぶってるって……。
やっぱり日本の天使のイメージとは違うのか。強いからって偉ぶってるのはなんか恥ずかしいと思うんだよね。
「用事は以上となります。あ、皆の前では先程の口調に戻しますね。チカ様が注目を浴びてしまいますので」
「ありがたいです!色々気遣いありがとうございます!」
「いえいえ。今から、依頼を受けて行かれるんですか?」
「はい!」と返事をして私達は応接室から出た。




