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付き合う前から好感度が限界突破な幼馴染が、疎遠になっていた中学時代を取り戻す為に高校ではイチャイチャするだけの話。  作者: 頼瑠 ユウ
一巻目

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第二十五話:良からぬ噂


 穏やかで心地良い時間は早く過ぎるもので、あっという間に月曜日。


 先日の約束通り、制服に黒のニーソを穿いた綾乃が悠斗の妙に熱い視線を感じつつ二人で登校すると、教室に入った途端、一瞬ざわついてから直ぐに静かになった。


「――なんだ……?」


 悠斗と綾乃が呆けていると、水原佳織と秋元冬樹が机や椅子を掻き分けて飛んで来た。


「あやのーん! 大丈夫だからね! 私はあやのんの味方だから!」


「おい、悠斗! まさかと思うが、真に受けてる訳じゃねぇーよなぁ!?」


 佳織は綾乃に抱き着いて、冬樹は悠斗の肩を掴んで揺さぶった。


「え、水原さん!? どうしたんですか?」


「何の話だ、ってか力強ぇんだよ!」


 状況が飲み込めず二人は、されるがままだった。


 一しきりして、佳織と冬樹は落ち着いて二人を解放する。


「……んで、朝からどうしたんだお前らは」


 乱れた制服を直しながら怪訝そうに悠斗は溜息をついた。


「こっちを向いて下さい。ネクタイが曲がってます」


 自然と彼の首元に手を回す綾乃の様子に、佳織と冬樹は気恥ずかしさを覚えつつ、安堵の溜息をつく。


「そーだよね。やっぱり、あやのんは上条が大好きだもんね」


「ぇ……っと、まぁ、恋人ですので当然というか、なんというか」


 佳織の問いに綾乃は顔を赤くさせながら頷いた。


「お前も、一ノ瀬が好きなんだよな? 信じてるんだよな!?」


「当たり前だろ、綾乃は俺の大切な人だ」


 冬樹の問いに悠斗は断言する。


 と、周囲から小さな拍手がパチパチと居た堪れない。


「いや、だからなんなんだよ、この空気……。いい加減説明してくんないかな?」


 悠斗が眉を顰めたのに、冬樹と佳織は顔を見合わせて頷いた。


「まだお前らの耳に入っていないみたいだから言っとくが、その前にコレだけはちゃんと聞け。特に悠斗!」


 いつになく真剣な友の表情に悠斗は狼狽えながら頷いた。


「胸糞悪い噂だ。お前は絶対にキレる、だからキレるなよ。お前が変に動けば余計な噂も出る。兎に角、一ノ瀬が大事なら今は堪えろ!」


 彼は続けて、


「一応、言っとくがこのクラスの連中は誰も鵜呑みになんかしてねぇからな。少なくとも俺と水原はお前らを信じてる。だから他の誰が何と言おうと聞き流せ」


 その気迫に悠斗と綾乃は息を呑んだ。


「……それで、その噂ってなんなんですか?」


 綾乃は悠斗の手を握りながら訊ねた。


「――それは、な……」


 冬樹は、痛みを堪える様に告げた。





 『一ノ瀬綾乃は、援助交際をしている』というものだった。



お読み頂き、ありがとうございます。


後ほど、次話を投稿します。

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