01話 女子高生エロゲをやる
新作小説はじめました。
今度はTSじゃない本物の女の子主人公です。
「さーて、帰ったしお兄ちゃんも今日は遅いから、エロゲやって女の子アンアン言わせちゃおっかな♡」
学校から帰るなり、こんなことを言ってお兄ちゃんのパソコンでエロゲーとかやったりするが、私は男ではない。
私、野花 咲夜はれっきとした女子高生。
思いっきり年齢制限ブッチしてエロゲをやったりしてるが、変態女子でもない。
むしろえっちいことは苦手だし、恋もしてない、恋に恋してもいない。
恋してるのは、【アリサソフト】のやりこみエロゲー【鬼畜勇者ラムスクエスト】だ。(エロス部分はのぞく)
なにしろ最近のゲームは高くて、学生のおこずかいでは手が届かない。
漫画やCDも買わねばならない身としては、憧れてもゲームまでは手が出せないのだ。
さすがに最近の家電並みにバカ高いゲーム機なんて買ってくれないしね。
そんなある日のことだ。
会社員のお兄ちゃんから、とあるPRG型エロゲのレベル上げとイベント進行を頼まれた。
なんでも、ちょっとブラックはいっている会社なので、忙しくてゲームが進められなくて、イベントが見れないと嘆いていた。
そこで毎日暇してる私に、それを頼んだというわけだ。
ちょうどお母さんが、単身赴任で地方にいるお父さんの所へしばらく泊まり込みに行っているからって、妹に何させてんですかね。
それにしても、学生は暇だけどゲームを買うお金がない。
社会人は金はあるけど、ゲームをやる暇がない。
いったい、ゲームは誰のためにあるのだろう。
それはともかく、このPRG型エロゲ【鬼畜勇者ラムスクエスト】。
エロゲでありながら壮大な自由型PRGであり、やり込み要素満点の超人気作だけあって、私もすっかりハマってしまった。
しかし、これだけ夢中になれるゲームシステム作れるんなら、エロゲじゃない一般向け作って天下とればいいのにね。
しかし女の身としては、アンアン女のあの声を聞くのはじつに微妙な気分。
出てくる女の人もカッコ良かったり可愛かったり素敵だったりするのに、主人公にヤラれたら頭おかしい色情狂になっちゃうし。
なんで私、いたいけな女の子達をこんな鬼畜変態主人公のハーレム要因にするために、レベル上げアイテム収集ハイスペックキャラ獲得に頑張っているんだろう。
けど、あたしは攻略のために心を捨てたゲーマー。
許せ、少女たちよ!
君達の貞操を踏み越えて私は征く。
「や……やった……!」
やっとお兄ちゃんに頼まれていたイベントを発生させられた!
長い長い準備期間と激闘の末に到達できたから、感慨もひとしお。
………………うん、予想通り最低だったよ。
なんで苦行の果てのご褒美が、こんな変態プレイ鑑賞なんだ(答え:これがエロゲーだから)。
しかし、鬼畜勇者のクエストはまだまだ続く。
待っているがいい、まだ見ぬカッコ可愛いヒロインたちよ!
君達は大好きだけど、私はエロゲにハマった修羅。
イベントという名の君達の痴態をさらすため、まだ見ぬ果てへ私はプレイするのだ!
「さぁて、寝るか。お兄ちゃんはまだ帰ってないのか。本当にお兄ちゃんの会社、ヤバイなぁ」
また今日もラムスクエスト以外何もできなかった。
そろそろ勉強しないとテスト、ヤバイなぁ。
でもゲームもいい所だし、やりたいやりたいのだ。
「また明日もモンスター倒して女の子アヘアヘさせにに行くからね。待っててねラムス」
おやすみなさーい。
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新作小説、がんばります。