異世界転生が実現可能な世界の話
アニメの世界や道具って憧れますよね。
それを実現化させた人A氏とその友人B氏の会食中の会話を並べただけの話
「やあ、Aさん。待っていたよ。君の事業すごく大きな事になってるね。」
「待たせてごめん。今日も事業関係でギリギリ約束の時間に間に合ったんだよ。」
「いいよいいよ。異世界転生できるシステムを作ったんだ。予定が詰め詰めなのは仕方ないよ。それより今日はそれについて色々聞きたくてさ。色々話して欲しいなーって。」
「友達だから無理のない範囲で話すけど、それを記事にするつもりだろ。分かってるよ、Bの考えてることぐらい。話すと長くなるけど、あれはこの世に未練の無い人以外に使用出来ないね。」
「と、言うと?」
「あれは片道切符なんだよ。終わりが見えてる人を対象に行う安楽死の別の手段みたいなもんだよ。最近はこの行き過ぎた技術の代償に様々な不足がでている。それを補う資源として人間も含まれている。早い話、この技術の副産物にそれが含まれていて政府も協力的なんだよ。」
「話が見えてこない。もう少しハッキリ簡潔に話して欲しいな。」
「気分悪くするかもしれないけどなるべく簡潔にまとめる。まず、利用者はまともな活動ができない人で、保護者の承認又は利用者の許可がでた場合のみ可能。装置に移す際は無駄なものを取り除く。取り除いたモノは直接的、間接的に資源となる。装置を稼働させると、AIによって相手の思考を読み取り、望む快楽を与える。その際に発生する脳波を記録することでAIは学習し、より精密な機械となる。そして、それを繰り返すうちに本体の存在自体消えて異世界転生の工程を完了する。この一連の流れに資源、技術力を合法的に得られるため、政府が一目置いているんだ。」
「Aそれは本当に作りたかったものなのか。」
「...」
「悪い、話を聞きに来たのは俺なんだけどもう満足したわ。ありがとな」
「僕も話す相手がいて嬉しいよ。こんな機会あまりなくてさ。名残惜しいけど時間だから帰るね。」
「ああ。また会おうなA。」
会食は済んだ。
こんなのどう記事にすればいいのやら。
本当に異世界転生できたとしても余計なことが脳裏によぎって楽しめなさそうだ。俺はこの人生で満足できる生活を目標にするよ。
実現させるためにはその過程に何があってもいい。その考えが当たり前になったら、本来望んでいたものとは別物になっていた。なんてことありますよね。