0話 プロローグ
「先輩! 今夜は打ち上げしましょうね!」
「ん? ああ、駅前の居酒屋でいいんだよな。」
「勿論ですよ。あ! 経理の中岸さんと広報の飯島さんも呼んでいいですか?」
「構わないが、お前、相変わらず顔が広いな。」
大手ビル会社の島ビル株式会社の計画企画部に新卒で入社した俺、石田純一は31歳にして同部の係長まで昇進していた。後輩にも適度に慕われ、苦労しながらも順風満帆の生活を送っている。
しかし、……なぜだ。なぜこうなった。
会社の帰り、後輩や同期、先輩と飲みに行ったらその居酒屋が休みで、仕方なく駅に隣接しているビルのちょっと高めなレストランに入ったら強盗が入って来て閉じ込められるとか。
マジ勘弁してほしい。
「先輩、どうします?」
後輩よ。俺が訊きたいことを俺に訊くんじゃない。
どうやら警察も動き始めた様で、扉の近くで強盗が何か騒いでいる。
「屋上にヘリを呼べ! さもないと、十分ごとに一人殺してくぞ!」
そう言って強盗犯はガムテープで両手両足縛られた俺らに拳銃を向ける。
「……一人目だ。」
……あれ? 痛いな。胸に穴が開いてすーすーする。力が入らない……。
「……先輩? ……先輩⁉ 先輩⁉」
うるさいなぁ。そうか、撃たれたのか。なんだか、熱さの中に冷たさを感じる。寒気がしてきた。俺でも分かるくらい貧血気味だ。もう、無理……。
で、俺は死んだんだよね。え? 死んだんですよね? ちょっと待て。状況を整理してみよう。
・俺は生きている。(意識があるし、抓っても痛みを感じる。)
・俺は布団で横になっている。
・頭を触るとなぜかちょんまげだ。
・俺が寝ている布団には裸の女性がいる。
・よく見ると俺も裸だ。
………………結論、全くわからん!
「治部様、どうされましたか?」
そしてお前は誰だ!!!!!!!!!!!!




