通常から異常へ
影はあまり嫌いではない。自分の前には決して出来ないし、太陽があるときは大きく背伸びをし、ないときにはどこかに隠れてしまう。どの人にでもこれはあり、どんなに努力をしても消すことはできない。
「俺はなんのために生きているのだろう。」そう考えているうちに、授業の終わりを知らせる鐘がなった。おもむろに立ち上がり、トイレに向かう。
「渡辺、お前宿題やったか?」
そう話しかけてきたのは、小学校からの幼馴染である鈴木だ。彼はどんな人にでも明るく接し、クラスではいわゆるムードメーカー的存在の陽キャだあった。
「誰があんなものやるか。あんなもの、誰のためにもなりゃしないよ。」
そう吐き捨てるように呟いた。彼と僕は月とスッポンで、あまり積極的に行くタイプではない。クラスの雰囲気がいかにも一つの宗教を崇拝している団体にみえるというのが一つの理由でもある。またその中にいると、自分は集団の部品の一つで、自分が欠けてもなんとも思われないように感じてしまう。
「また今日もくだらない、何も変わらなくつまらない日常が始まる。」そう一言だけ言い放ち、そこを後にした。
「授業の始まる鐘がなる。教員が入る。なんの面白みもない自己満を披露する。終わる鐘がなる。教師が出て行く。」これが六回繰り返されるだけの日常。やはり人生は胡蝶の夢のようだと深いため息をついた。




