2話
ガチャ。うーん…。あれ?もう朝?学校行かなくちゃ。
私は制服に着替えて部屋の外に出て階段を降りる。
「りくー。」
私は弟を呼びながら階段を降りている。でもりくは私の弟じゃない。小学4年生の頃…だったかな?その時ふと思ったんだ。私とりくは本当に血が繋がっているのかって。我ながらなに思ってんだって感じだよね。
私ってすごく勘がいいんだ。変なとこまで気付いちゃうの。それから私はどうしても気になっちゃって家の資料とかに全部目を通してその中の1つ、母の日記帳を見てわかってしまった。
4月2日
私は竹下さんと結婚した。それに竹下さんの子供が家に来た。瑠璃の1つ下らしい。
2人は義姉弟だけどそれは秘密にしようと思う。2人を本当の姉弟のように育てる。
それを見て私は1人、涙を流した。
りくが私と血が繋がっていないと思ったのは私なのに。
でも私はそれがなんだと考え直した。だからもう平気だ。それと家は両親が仕事でN・Yにいる。
だから家には私とりくしかいない。でも寂しいとは別に思わない。
それにしても…眠い。うぅん、ゲームをする前に宿題はやってたけど…。
ズリッ。んん?ズリッ?なんの音?ってえぇぇぇ⁉︎
私は階段を踏み外していた。えぇ⁉︎ヤバイって⁈これはマジでヤバイって⁉︎
うぅ!落ちるぅぅぅぅ!
「いっててぇ〜、大丈夫?姉ちゃん。」
あれ?痛く…ない?
目を開けるとそこには弟のりくがいた。というかりくが私の下敷きになっていた。
「ご、ごめん!ちょっとうとうとしてて…。」
そう言って私はすぐそこをどく。りくは起き上がって頭をさすりながら言う。
「いや、大丈夫だよ。にしても珍しいね、姉ちゃんが寝ぼけるなんて。」
りくは不思議そうに首を傾げた。
「あぁ、それが…あのゲームだよ。クリエイト・ゲームをしてたらもう朝だったの。」
そう言い、りくは私を心配そうに見つめる。
「ゲームもいいけど体調にも気をつけてね?」
うぅ!りく優しい!というか…。
「…?りく、また背が伸びた?」
なんか私も身長160cmはあるけど、りくは1つ下なのに170cmはあるんじゃない?
「え、分かる?なんかぼくも身長が少し伸びた気がしててね。それがどうかしたの?」
「ううん、ただりくも大人っぽくなったなぁ、と思って!」
私はえへへと笑う。あ、そろそろ学校行かなきゃ。
「りく、そろそろ朝ごはん食べなきゃ。」
なんかもう目 覚めちゃったし。
「ん、うん。」
その時、りくの顔が真っ赤になっていた事を私は知らない。