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僕はロリータ  作者: よろひき
1/3

そのいち「朝、目覚めて」

結構危ない描写、ところどころに散りばめてるよ?

それと作者はロリコンではありゃーせんのでよろしく。

 朝。とてもいい目覚めだ。いつもならもっと憂鬱なはずなのに。

 不思議な気分を味わいながら、身体を起こす。

 ……。

 おかしい。なにかがおかしい。

 いつもより身長が低い気がする。感覚の違いからか、立ちくらみが起こる。

 それでも、おかしな身体に鞭を打ち、立ち上がった。

 ……。

 やはり身長が低い気がする。いや、身長だけではない。体重も軽くなっている。髪質も普段とは違う。それに、なにかが物足りない。

 まあそんなこともあるさと思いつつ、リビングへと足を進める。

 キッチンから玉子焼きの良い香りが漂ってくる。いつも通りの朝だ。どこか身体がおかしいことを除けば。

「おはようございますー。」

普段のノリで母と兄がいるリビングへ足を踏み入れた。

 しかし、リビングの雰囲気が徐々に悪くなる。母も兄も、手を止めこちらを凝視している。

「え?顔になにかついてる?」

俺がそう問うと、母が口を開いた。

「君だれ?どこから来たの!?」

完全に反応がおかしい。母がこんなに取り乱しているのは初めて見る。しかしなぜこんなに慌てているのだろう?

「あいつの仕業じゃないか?あれロリコンだし。」

続いて兄が口を開く。ロリコン……。ロリコンかぁ……。

 突然だが、俺はロリコンだ。ちなみに他言は一切してない。というよりできない。他言なんてしてしまうと命がいくつ燃え尽きることか。

 しかし、なぜこいつが俺の性癖を知ってるんだ?


 思い出してしまった。

 話は半年前に遡るが、俺が自室で致していると、あいつがノックもせずに入って来やがった。

「おい優也、風呂開いた……ぞ……。」

あいつは、俺のパソコンの画面を見て、口を閉じた。

「おいなんでノックせずに部屋……に……。あっ。」

気づいたときにはもう遅かった。なぜドアが開いた瞬間にWindowsキーとDを同時押ししなかったのか。自問自答しても仕方がない。この場をどう切り抜けるか。今はそれだけを考えるんだ。

「お前……なに見て……。」

その画面には、俺の嫁のそういう画像が全画面表示されていた。無論、俺の嫁は二次元であり、法に触れるようなことはしていない。が、その性癖がバレると法に触れずとも、社会的に死んでしまうことは火を見るより明らかである。まさに俺は命の危機に瀕しているわけだ。

 どうにかしてこの場を切り抜けないと、今まで築きあげてきた俺の社会的地位が揺らき、崩れ落ちてしまう。それはなんとしてでも食い止めないといけない。

「違っ違っうんだっこれはそのーあのー。」

言葉が詰まり、噛みまくる。ダメだ、もうおしまいだ。どうせならこの世界でも彼女作りたかったぜベイベー。俺はもうこの世では生きていけない。神様はいじわるの中の意地悪である。

「お前の……その……性癖……?については誰にも言わんから安心しろ……。」

兄はそう言って、静かに扉を閉め、廊下へ出た。

 うわあああああああああ!!!

 俺はもう死んだも同然だ。いくら誰にも言わないと言われても、口の軽いあれは信用ならん。性癖をあれに知られてしまったが最後、もう俺は生きていくことができない。

 しかし、神様はきまぐれである。

 その後半年、あいつはその事を口に出しはしなかったのである。さすがは我らの神様だ。

 それも今日この時破られるわけなのだが。


 この後の母の反応が予想できてしまう。

「ロリコン!?私は優也をそんな風に育てて……。」

そりゃそうなる。自分がここまで愛を注いで育ててきた息子がロリコンだなんて、この世の絶望を全て見るようなものだろう。

 母は泣き崩れ、兄は無を取得した。

 その時、救世主が現れたのだ。

「おはよ……。お前らどうした?」

父だ。偉大なる父である。このタイミングでの父の登場はいじわる神のシナリオ通りなのだろうか。

「あんた……。だれだ?」

ダメだ。父も俺の顔を見て固まっている。

 家族のだれもが俺のことを認識していないなどおかしい。そりゃまあロリコンの話なんざ聴きたくないだろうし、早く消えてほしいのだろうが、ここまで存在を否定され続けるがの俺も溜まったもんじゃあない。

「俺は優也だよ!」

俺はやっと口を開き、弁明した。

 泣き崩れる母。無を取得した兄。そして鞄を床に落とした父。

 俺は全ての終わりを確信した。

 しかし、いじわる神はそんな簡単に獲物を逃がすわけもなく、俺を弄ぶ。

「は?」

涙の母、無の兄、鞄の父。一様に一本取られたような顔で、口を揃えて言った。

「『は?』じゃねえよ俺は優也だよ!」

俺ですら違和感を覚える高い声が響き渡った。

どこかで聞き覚えのある雰囲気の声。

「あいつ……。この"小さな女の子"になにしたんだ……。」

そう兄が言う。

 ん?ちょっと待て。"小さな女の子"ってだれだ。

「やっぱりあの子はおまわりさんに預けておくべきだったのよ……。」

母がぼやく。いろいろおかしい。俺を認識しない家族。さっき感じた身体の違和感。

 俺は家族の制止の声を気に留めず、洗面所まで全力疾走した。


 洗面所までが長く感じた。そして鏡で自分の顔を確認してみる。

 しかし、鏡に反射していたのは、もう見飽きた自分自身の顔ではなく、髪が長い中学生くらいの女の子の顔だった。

 さっきから感じる違和感はこれのせいだったのか。これは俗に言う「女体化」というものだななるほど。

 人間は、思考回路がショートすると、逆に落ち着くと良く言われるが、それを体験したことがある人は案外少ないものだろう。しかし今、俺はその少数に属している。

 ピタッピタと、なにかの足音が聞こえる。だれかが俺を追跡してきたんだろう。

「にゃあ」

 猫。俺をつけてきたのは、我が家の愛猫である、「にゃあ」だ。鳴き声を名前にする。なんとも安直な思考回路である。名付け親は誰なのだろうか。

 ところで、この名前、どこかで聞いたことがある。

 そうだ。俺の嫁である、「ニャア・トータ」という魔法系アニメの登場人物である。

 ちょっと待て。良く考えれば俺じゃねえか。この猫の名付け親。

 名前が安直過ぎたことか、嫁の名前をコピペしたことか。どちらが原因かはよく分からないが、我が家の愛猫は、いつも俺を適視している。

 普段なら、俺を威嚇し、さらに引っ掻いてくるが、今日はそんな様子はなく、俺に飛びついてきた。喉をゴロゴロ鳴らして。

 ところで、俺を探しまわしているはずのあいつらはどこへ消えた?

「捕まえた。逃げるんじゃないよ。もう。」

 しまった。母に捕まってしまった。俺は背後から忍び寄る黒ずくめの女……もとい母に気がつかなかったのだ。敵に気を引かれ、あっけなく負けた。完敗である。


 その後、なんとか俺は家族に事情を説明した。

 こんな奇妙な物語をだれが信じるのかと思っていたが、案外家族は飲み込みが早く、すぐに理解してくれた。こんな話を信じるのはどうかと思うが。

 そして、俺は元の身体に戻るまで、致し方なく中学校にかようことになるわけである。

 ……。

 ここだけの話、欲望を抑えきれるか心配だ。

ニャア・トータに関しては私の他の作品見れば分かると思います。

そのシリーズ未完結で終わると思うけど()


当社比で評判よければ続く可能性あります()

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