異世界転移という導入のクッソ簡単なもの甘える第一話
「いやー、まさか追い出されるとは」
異世界に来ておよそ1ヶ月程度であろうか?俺は緑一色の平原を一人寂しく歩いていた。
「まぁ、はした金程度だが金はもらったし、一週間は生きられる程度の食料もある」
前途は暗いが、まぁとりあえず一週間で何かを見つけられるかの問題である。そこそこ大きな都市であったが、外壁から出てくる際に聞いた話では、周囲の町には最低でも2日はかかるらしい。
「とりあえず戦闘にはならんようにしないと」
何故追い出されたか?というと俺の戦闘力が赤子同然だからである。大人のステータスの基準値は100であるにも関わらず、俺のステータスはLv1で3、Lv2で6、Lv3では9、Lv4になっても27なのである。しかもレベルがひっじょーにあがりずらい。他の奴らがレベル10あがっていても俺のレベルは1しか上がらなかったりした。
「最悪ウサギにも殺されるからな」
いわゆるクラス転生という奴で他の奴は大体強力なスキルを持った上で一回のレベルアップで500とかステータスが上がっていた。かという俺はスキルもなし、ステータスも上がらない上に魔法も初等の奴しか覚えられなかった。
ちなみに初等というのは小学生でも使えるような奴である。マッチ程度の火やそよ風を起こす程度のちっちゃな魔法である。
「スキルもねぇしなぁ」
まぁはっきり言ってこの世界の学問のレベルは大して高くはないようなので、適当な町の公務員(のようなもの)にでもなって安泰に過ごすとしよう。
「上をむーいてー、あーるこーよー。涙がーこぼれないよーう」
少しでも気分を陽気にするために歌でも歌いながら歩いていく。はっきり言って自殺行為ではないだろうか?でもまぁこの平原にあまり攻撃的な生物はいない、とか門番さんが言っていたので、音が聞こえれば臆病な奴は逃げていくかもしれない。
「思い出すー。はーるのひー」
春でもないだろう。まぁ四季があるなら夏のちょい手前みたいなものだ。
「ひとーりぽっちの夜ー」
一人ぼっちではあるが夜ではない。少なくとも夜歩いたら俺は死ぬであろう。狼にでもかまれたら一発で腕を持ってかれるだろうし。
一度実戦にかり出された(ダンジョンにだが)けれども。腕と足を一本ずつ失っただけであった。
因みに失った手足はクラスの回復魔法が得意な奴に蘇生してもらった。
「いやーゴブリンの剣って思ったよりも切れるんだぜ?」
布装備の雑魚には隙しかないのである。鉄なんて重いもの装備できるか!潰れるかと思ったぜ。
ガサガサ!
後ろをおそるおそる振り返ってみると・・・
「やせいの おおかみ が あらわれた!」
一俊は逃げ出した!
一心不乱、無我夢中という言葉そのものを体言したかのように逃げ出した。
しかし まわりこまれてしまった!
小学生程度の身体能力しかないのだから追いかけっこしたらまず負けるのは火をみるよりも明らかである。
「異世界の母、父よ、まことに申し訳ないが、私の人生はこれまでのようです」
早速あきらめムードである。さて、こいつは生き残れるのか?
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