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  作者: 粘土
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最期の現実

私が愛した祖父の事実です。

戦場に於いての生は美しき此の上無し 生き抜いた魂は素晴らしき事此の上無し

知らぬ者 見知る者 次々と死んで逝く そんな中に僕は居る

観た事の無い筈の命の遣り取り 然し 僕は知っている

友の爆散する様を 昨日までの仲間が居なくなっている事を

銃など何の役にも立たない 斥侯せっこうの技量のみだ

作敵が出来なければ誰の命も無い 其れは当たり前の事

知ってしまった現実 知らなければ好かった事実 嗚呼

今では戦場に向かう事を望む 一人で二人始末すれば勝てるのだから

沢山の命が無為に失われた 大切な人の為では無く 只、権力者の為に

其れでも僕は行くだろう 死しか待たぬ戦場へ 僕だけは大切な人の為に

其れ故に僕は生きて居るのだから……

生きる事のみを甘んずる人よ 死を厭う事莫れ 死は決して無駄では無い

生きる事を望む子供達に席を譲る事と思い知れ だから

戦場に於いての生は美しき此の上無し 生き抜いた魂は素晴らしき事此の上無しと知れ


彼はシベリアに抑留されて尚、生きて帰って来て呉れました。そして、僕を愛して呉れました。

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