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武神異界転生 ~己が願いの為に~  作者: 歌音
序章/武神転生
5/7

5.『武神』、答えを出す。

少し変えました。

「争っている…じゃと?」


「はい…それぞれが、世界に、『よくある理不尽』に会い、その時に『世界』を恨み憎んだ人間であり、その存在自体が憎しみの塊です。世界を滅ぼすのは…人間を、世界を滅するのは己であると争っています」


「ふん…」


「そして、『勇者』は天寿以外の死…殺されると、『御魂』が壊れ、『完全な無』となります。それは『神』でも再生できぬこと…どうなるかは神もわかりません。それが、次の理由です」


「………」


猛は静かに聞く。


「…以上がリスク。次はメリットです」


アリスは鏡を取りだす。


「まずはこれです」


「ん?鏡…うぉっ!?」


猛は鏡に映った自分の顔を見る。


「儂、若っ!若返っておる!?」


「はい。特典の一つである『若返』。全盛期の頃まで若返りました」


「おおっ、通りで力が漲ると!20代の頃かの?やっぱ、この頃の儂、イケてるのぉ!」


感動している猛を見ながら、アリスは説明を続ける。


「次に『討伐支援』。まず、『勇者』になると私の前で確約した時、デフォルトとして、『聖なる力』が宿ります。それと制約はありますが、神からの支援があります。『魔王』を殺す為に必要と受理されたモノならなんでも。伝説の剣、その世界の貨幣が溢れ出る銭袋等ですね」


「ふむ…右斜め45度…おおっ!イケとる!」


猛は鏡に向かって夢中でポーズを取っている。


興味はなさそうだ。


「そして、『勇者』最大のメリット…『願いの成就』」


「…なに?」


猛は鏡から眼を離し、アリスを見る。


「『魔王』を一人殺すと、どんな願いでも、一つ叶えます」


「それは、確かにでっかいのう。どんな聖者でも、自分の力では絶対に成就が不可能な、叶えたい願いは一つや二つあるもんじゃ」


「はい。それが全部で4回のチャンスがあります。そして…『魔王』討伐後、その世界の支配者として、君臨できます。これも一つ制約があり、『太極者』は魂の存在である為、子孫を残す事ができませんので、一世代限りです…」


アリスは息を吐き出して猛の眼を見る。


「以上で、『勇者』の説明は終わりです」


「ふむ…」


「オオガミ タケル様…これは強制ではありません。断る事もでき、その後は極楽に行き、この世の快楽を全て味わう事ができます。これは嘘ではありません。大抵の人間の願いはここでも叶います」


アリスはゆっくりと笑顔に顔を戻す。


「『勇者』になりリスクを負うか、リスクなく『極楽』で叶えるか、時間はいくらでも待ちますので返事を…」


「あいわかった。『勇者』となろう」


「お待ちしますので…ってはい?」


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