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武神異界転生 ~己が願いの為に~  作者: 歌音
序章/武神転生
4/7

4.『武神』、『勇者』と『魔王』を知る。

「まず、『勇者』とは『世界調停システム』の一部であり、『魔王』を殺す者の事です」


この時点で、猛はレジュメを確認する事をやめた。


直感で感じた…


これは、紙の上で確認する事ではなく、アリスの言葉で知る事だと…


それを悟ったのかアリスは何も言わずに説明を続ける。


「まず、『魔王』という者は…『世界』を恨み憎んだ者です」


「『世界』を?」


「はい…『世界』には『純粋な正義』もあれば『理不尽な悪徳』もあります。良くも悪くも『世界』はその均一のバランスにより、保たれています」


それは猛にもわかる。


世の理は陽と陰…善と悪の天秤だというのは叩きつけられた『現実』だ。


「理不尽な暴力を受けた人は『人』を恨み憎む。陵辱された乙女は『男』を恨み憎む。捨てられた子供は『親』を恨み憎む…」


「ふむ…そうじゃのう」


「しかし、その時に…数少ない事ですが、無意識でも、心の底から『世界』を恨み憎んでしまうと、その人物は『魔王』となります」


「…?」


「『魔王』は天秤を『悪』に傾けてしまい、『世界』のバランスを崩してしまう。しかし、『魔王(ひと)』は別の存在である『神』では殺せない。その『魔王(ひと)』を殺せるのが…」


「『勇者(おなじひと)』…というわけか」


「はい。同じ存在である『勇者(ひと)』ならば『魔王(ひと)』を殺す事ができる。『神』にできる事は、他の『世界』に極力影響のない世界に『魔王』を閉じ込める事だけです」


「…ちょっと待て。それじゃあ、その閉じ込めている『世界』の『人間』が『魔王』を倒せば?」


「いいえ」


アリスは哀しそうに首を振る。


「確かに、『魔王』が生みだし従える『魔物』は脅威ではありますが理不尽といえる程の力は持ちません。『人間』でも対抗できます。しかし、『勇者』が『善の太極者』なら『魔王』は『悪の太極者』…『魔王』を殺せるのは『勇者』だけなのです」


「ふむ…説明は納得できるが、その『世界』にとっては理不尽…」


『魔王』がいるかぎり、『魔物』は生まれる。『勇者』がいない限り、絶対に平和は来ない。


「…でもないか。『平和』とやらは『魔王』や『魔物』がいてもいなくてもそうそうあるもんではない」


そう、例えその『世界』に『魔王』がいなかったら人が人を襲う。


もっとも、猛は便乗して悪さをする人間はいるだろうと思っている。


「システムとやらはわかった。では、リスクから聞こうか」


「はい」


パネルを操作し、簡単な絵図を表示する。


「まず、『勇者』は不死身ではありません。『魔王』や『魔物』…『人間』にも殺せます」


「まあ、そうじゃろうの。人は死ぬもんじゃ」


「そして、今現在…『魔王』は4人います」


「…なんと」


「これは、『武の太極者』が他の『太極者』に比べて少ない事とが一因となっておりまして、『魔王』だけが多く出現してしまいました。そして…」


アリスは息を呑み、


「その全てが互いに争っています」


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