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狐と狼  作者: 黒崎 真琴
8/10

第八幕 禁門の変

☆九尾雷丸目線


 池田屋襲撃後、僕達新選組は蛤御門の前にいた。浪士達の計画を阻止するためだ。でも、僕は不安でいっぱいだ。なんせ、沖田と平助、山南さんがいないからね。ちょっと心配だな。

「お前、性格変わったな」

僕の隣にいる土方さんが言った。

「そう?」

確かに、左目を失ってから性格が変わっているかもしれない。

「今日は総司がいないから、俺の隣にいるんだろ?」

「バレてた?」

僕は少し笑いながら土方さんに言った。

「バレバレだ」


ドーン


土方さんと話していると、山の方向から大きな音がした。爆発音だ。

「土方さん!」

「ああ、天王山に向かうぞ!」

「はい!」

僕達新選組は土方さんの後について行き、天王山を目指した。


 向かう途中、思いもよらない人物が待ち伏せしていた。でも、土方さん達には見えない。奴は妖術で姿を消しているため、人間の目では見ることができない。

けど、僕は妖だから見える。

「土方さん、止まって」

僕は隣にいた土方さんを止めた。

「どうした?九尾」

僕は橋の真ん中に立った。

「いるんだろ?出て来い」

「九尾、誰に言ってるんだ?」

土方さん達にはまだ姿が見えていない。

「人間の目では見えなくても、僕には見えるとわかって消してるんでしょ?出てくれば?」

そして、奴は僕達の前に姿を現した。

「まだ妖力が残ってたんだな。兄貴」

「お前が潰したのは片目だけだからな」

風丸は僕に目を合わせず、土方さんをずっと見ていた。

(土方さんを狙ってる!?)

「九尾、お前は下がってろ」

土方さんは僕にもう怪我はさせないと思ってる。でも、人間相手だと風丸は殺すまで戦うから、土方さんの方が不利だ。

「土方さんが出る幕じゃないよ。僕がやる」

(池田屋の時は油断したけど、あの時のようにはいかない)

「でも、お前はまだ刀が持てないはずじゃ……」

確かに、僕はまだ症状が治まってはいない。

(だけど、いつまでも過去の闇にとらわれてちゃだめだ)


 僕は風丸の前に立った。

「兄貴が相手?つまんないなぁ。鬼の副長が相手だと、やる気でるのになぁ」

風丸は愚痴を吐いた。

「頭がやられちゃったら、こっちはもともこうもないからね。それに、こっちは目をやられた思いがあるし」

「兄貴、まだ遊んでんの?もう、やめたら?一族の恥じだよ」

風丸は鼻で笑いながら言った。

「やめる気はないよ。恥さらしはお前の事だよ」

僕はそう言うと、風丸の表情は変わった。

「黙れ!人間共は消え去れ!」

奴は武器を振り上げ、僕じゃなくて土方さんに襲いかかった。

「土方歳三!死ねぇ!!」

奴の姿が目に映る。

「土方さん!」

僕は奴の大鎌を斬撃器で受け止めた。

「何故だ!?兄貴。何故人間の味方をするんだ!?俺達はそいつ等に、散々痛めつけられたんたぞ!」

「確かに、僕達九尾一族は人間達に散々心も体も痛めつけられた。でも、それは昔の話だ。新選組はいい人達ばかりだ」

「黙れ!貴様ら、汚れた狼はあの世で骨をかじっていればいいんだよ!」

奴は大鎌を振り上げ、再び、襲いかかった。僕は斬撃器を引っ込めて、刀を抜き、大鎌を受け止めた。

「風丸、僕は前にも言ったはずだ。俺の悪口は言ってもいい、だが、仲間の悪口は言うんじゃねぇって!」

僕は大鎌を振り払った。

「覚悟しろ、風丸」

僕の振った刀は真っ直ぐと風丸の右目を斬った。

「これであいこだな」

風丸は震えながら、目を抑えて立ち上がった。

「覚えてろよ!」

そう言って、風丸は僕達の前から姿を消した。その後、僕は目の前が真っ暗になった。


 僕は目を開けると、最初に映ったのは土方さんの顔だった。

「九尾!気がついたのか」

「土方さん、ここは?」

「屯所のお前の部屋だ。あの後、お前は倒れたんだ。二日も起きてこないから、心配してたんだ。総司も近藤さんも幹部のみんなもな」

(みんなに迷惑かけちゃったな)

「心配をかけてすいませんでした。戦はどうなったんですか?」

(って、今更だけど……)


☆土方歳三目線


「京の町は火の海にされた」

俺は九尾にそう言うと、目を閉じた。

「疲れが出たんだな。ゆっくり眠って、休めよ」

俺は九尾の布団を、ゆっくりかけた。


☆九尾風丸目線


 京の町を火の海にはできたものの、俺の心は憎い兄貴のことでいっぱいだ。

「何故だ?何故、兄貴にやられた!?人間の血に染まった兄貴に、目をやられた!?何故だ!?」

俺の心はもはや、憎み、恨み、苦しさのすべてでできてる。目標はただ一つ、兄貴と幕府の犬共を殺る。

前書きを書くのをやめにしました。


~理由~

書くのがめんどくさくなってきた。(前書きを)

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