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狐と狼  作者: 黒崎 真琴
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第一幕 出会い

 俺が新選組に入隊して、新選組の人達と起こした出来事を話す。


 伊賀の町(今での三重県伊賀市)、俺は今両親と荷造りをしている。親父の仕事で京の町(今での京都)に行くことになった。

 親父は真田一族、母さんは安陪一族、俺はどちらかの後継ぎにならなければならなかった。だが、俺は九尾一族の血を受け継いでしまった。そのおかげで、両親の喧嘩が日課になってしまった。

 九尾一族とは、あやかしの血を受け継いだ者たちを九尾一族に入るという、別名『呪われた一族』と人間たちの噂でそうなっているらしい。つまり、九尾一族になった者はもう人間ではないということだ。しかし、この一族には悲しい一族とも言われている。なぜなら、九尾一族の者は20も過ぎずに死に至るからだ。

 だが、俺はもう20を過ぎている。医者も「健康そのものだ」と言っていた。本来、俺はもう死んでいる。そういえば、家康様についていた兄貴が言っていたな。

「九尾一族は29年に一度、病を受け継がないが、あやかしの力だけを受け継ぐという伝説がある。俺は家康様についていたから健康になっていたからね」

って、自慢そうに言っていたなあ~なんかむかつく…

 京の町に着き、俺は驚いた。こんなに賑やかな町は見たことがなかった。伊賀の方より人が多く、着物も相当きらびやかだ。

 荷物を降ろした後、俺は町の方に行った。食物屋、着物屋、色々な店があった。橋を渡ろうとしていたとき、誰かとぶつかり、倒れてしまった。

「ごめん。君、大丈夫?」

俺はその声で顔を上げた。俺の目に映っていたのは、髪を高く結び、右横に刀を二つ占めている男の人の姿だ。どうやら、侍のようだ。俺は立ち上がり、

「俺の方こそすいません。急にぶつかって…」

俺は彼の前で頭を下げた。

「僕の方こそごめんね。怪我はない?」

「はい、ありません」

俺は顔を上げて言った。

「僕は沖田総司。君は?」

「九尾雷丸です。伊賀の方から来ました」

「道理で見たことないと思った。宜しくね、雷丸君」

そう言って、沖田さんは手を差し出した。人がよさそうだ。

「宜しくお願いします…沖田さん…」

俺は恐る恐る手を出した。

「沖田でいいよ。よく見たら、歳、近そうだし」

沖田さん…いや、沖田は笑った。

「じゃあ、俺も雷丸でいいよ」

京で初めて話せる人ができた。

「京の町を案内するよ」

「えっ、いいの?ありがとう」

「来たばっかりでしょ?だから、色々知らないと思ってさ」

この人はどうやら勘が鋭いらしい…

 俺は沖田に京の町を案内してもらい、おまけに、団子までおごってくれた。沖田は侍なのに、全然俺にはそう見えなかった。侍ってなんとなく、悪い想像がつく。だけど、沖田みたいな侍もいるんだろうな。

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