新たな豪傑
一夜明けた次の日、雪連達は討伐のための準備を進める。そして、昼頃には完了したようだ。左馬助達も早々に準備を終え、雪連達を待っていた。今回の討伐には袁術たちも一緒に参加するようだ
~正門~
「ん~いい日差しだわ~」
トラックの屋根の上でゴロゴロとしながら伸びるメリル。可愛らしい光景だ。左馬助は下でミリタリーマチェーテを磨いていた。
「こんないい日は釣りしたい気分だがな」
「同感ね~にしても左馬助。そんなの持ってたっけ?」
「ああ、こいつか?この世界に入る前に丁度、手に入れたやつなんだ。俺の仲間の奴が鍛治職人していてな。打ってもらった奴なんだ」
「へぇ~日本じゃ鍛冶職人なんて少ないんでしょ?」
「まぁな。だけど、そいつとは昔よしみっていうやつだ。元から鍛冶職人目指してたやつでな。若いが腕は良い」
「ふ~ん、今度紹介してよ。私も日本刀とか欲しいのよ。ネットで探しても売ってる人いなくて」
「まぁ、頼んでみるよ。おっ雪連たちが来たようだな」
門を見ると軍を引き連れた雪連たちがやってきた。袁術とは別行動のようだ
「あら、早いわね。そっちの準備はいいの?」
雪連が言う
「ああ、いつでもいいぞ。」
「わかったわ行きましょ」
そう言って軍を引き連れ進んでいく
~その道中~
左馬助の乗る96式の隣に雪連が合わせる
「左馬助、ちょっといい?」
「おう。どした?」
「討伐に行く前にある所で仲間たちと合流するのよ。左馬助にも言っておこうと思って」
「ほう。そうか。で?誰と合流するんだ?」
「私の妹、孫権と護衛役の甘寧・周泰よ。」
「へぇ~豪傑ぞろいだな。」
「後、みんな可愛いいから、食っちゃっても良いわよ?」
ニヤニヤしながら言う
「おいおい、自分の身内を訳の分からない奴に差し出すってどうよ?」
笑いながら言う左馬助
「あら、冗談では言わないわよ。左馬助は信頼たる存在だし、蓮華たちも大丈夫かなって思ったわけ。もちろん、私や冥琳、祭だってまだまだ、食べごろよ?」
「まぁ、考えておくさ。」
「そうしなさい」
と二人で笑いながら歩を進めていくのだった
~合流地点~
今日はここで野営して翌日に出発すると冥琳が言っていたので、左馬助も96式からテントを取り出し、インスタントコーヒーを飲んでいた
「ふぃ~やっぱ、こうして落ち着くのが一番だな~」
96式の上に乗りながらのほほ~んとしていると冥琳が近づいてきた
「おやおや、戦闘の豪傑がそんな顔をしているとはな。」
笑いながら言う冥琳
「しゃーねぇーだろ?こういう時はのほほんとなるのが一番だからな。」
「そうか。それより、雪連が呼んでいたぞ。一緒に来い」
「おう~」
そう言って冥琳とともに雪連のもとに向かう。雪連の下に向かうと三人の美少女がいた。一人は雪連と同じ髪の色で褐色肌。雪連を大人しくさせたような子だ。もうひとりは青髪にお団子髪型の子で一人目に言った子の傍にいた。もう一人は黒髪の長髪で背中に長刀を背負っていた
「これまた、豪傑ぞろいだな」
左馬助が言う
「でしょう?私の自慢の子よ」
雪連が誇らしく言う
「姉様、誰ですか?この貧弱そうな男は」
ピンク髪が言う
「おいおい、雪連、俺のこと言ってないのかよ?」
左馬助がそう言うとピンク髪が剣を出し左馬助の喉元に突き付ける
「貴様、姉様の真名を言うとはいい度胸だな」
睨みつけながら言う。だが、左馬助は怯えるどころか笑っていた。雪連は止める様子もなく笑っていた
「おぉ、怖い怖い。気迫は十分だが、技術力は雪連よりまだまだだな。」
「なんだきゃっ!?」
彼女の持っていた剣が左馬助の蹴りで高く飛び上がって後方に刺さった。
「蓮華様!貴様!」
傍にいた青髪が同じく剣を出そうとしたが、その前に左馬助のミリタリマチェーテの方が先に出ていた
「あんたは隠密に特化した感じだが、主が攻撃されると周りが見えなくなるみたいだな。」
そう言ってマチェーテをしまう。その間青髪の子は動けないでいた
「あははは!面白~い!」
雪連が笑いながら言う
「雪連、いい加減話したらどうだ?」
冥琳がため息付きながら言う
「そうね。ごめんなさい。蓮華。この人は、赤城左馬助。私たちの仲間よ。見たとおり頼れる仲間だから」
と笑いながら言う
「とまぁ、すまんな。二人とも何故か空気的にこういう役をやってしまったが、孫権の方は怪我はないか?」
謝りながら言う
「あ、ああ。大丈夫だ・・・・って私の名前を」
「ああ、そこは詳しく話すよ」
そう言って三人に今までのことを話す
「・・・・信じられないわね。」
孫権が言う
「まぁ、突拍子も無い事だしな。仕方ないといっても証拠は見せるがな。俺が未来から来たっていう証拠を。メリル、トラックで来てくれ」
無線機でメリルを呼び出す。数秒後、トラックが左馬助の後ろに現れる。
「こ・・・・・これは・・・・・」
三人とも唖然としていた
「よいしょっと、あら、可愛らしい三人ね。左馬助、手ぇ出したの?」
ニヤニヤしながら言うメリル
「アホかお前は。っと、とりあえず、三人ともこれで信じてくれるか?」
「あ、ああ」
「信じざるを得まい」
「すごいです!」
三者三様の答えが出る
「あっ因みに私は真名許してるから三人とも、真名を言っちゃいなさい。冥琳や祭も許してるから」
「え、えぇ!?」
孫権が驚く
「私は思春だ」
「私は明命です!よろしくお願いします!」
と、孫権の頼みの綱の二人は既に言っていた。
「えぇ!?二人とも早いわよ!?」
「ですが、雪連様のご命令とならば・・・・・・」
「はい、私もそうです」
あっけからんという二人。
「あっ孫権、言うの嫌だったらまだ言わなくていいよ?あんなことをしたんだから呼ぶのは嫌だろうし。孫権自身が言いたいってまで俺は待ってるよ」
左馬助がフォローする
「・・・・・・・すまない」
孫権が頭を下げる
「いや、気にすんなよ。で、雪連。ちょっと話は変わるんだが」
「なに?」
「この討伐って、他にも軍勢ってきてるのか?」
「あぁ、えーと、どこだっけ?冥琳」
苦笑いしながら言う雪連
「はぁ、話は聞いてなさいよ。曹燥と義勇軍の劉備、後は袁紹、袁術。公孫賛ってところね。」
「ふむ・・・・・・」
「どうかしたの?左馬助」
「いや、ほかに軍勢がいるんなら。これらの存在を隠そうと思ってな。」
そう言ってトラックを指差す
「どうしてだ?」
孫権が言う
「この時代に合わないものを持っていたら人は自然と二つの選択肢になる。消すか。取り込むか」
「なるほど、いくら、協力といっても時代に合わないものがあればそこから消すか取り込むのが必然だからな」
冥琳が言う
「そゆこと。まぁ、二台がなくても俺とメリルは動けるから安心してくれ。メリルも手持ちの武器はあるんだろ?」
「もちろんよ!私のハルバードちゃん!」
そう言って身の丈よりも高いハルバードを取り出す
「どこで手に入れたのか小一時間ほどききたいが、まぁいい。とりあえず、大丈夫だから」
「分かったわ。それじゃあ、今日はここで野営して、明日、砦に行くわよ」
「おう!」
全員が返事をしてその場を離れる。左馬助とメリルは車両に戻っていく
「さて、この二台はどこにしまっておこう・・・・・」
「野営してるところなら大丈夫じゃない?」
「いんや、この時代だ。斥候といって偵察者を出して他国の情報を探るのが主流だったんだ。ほら、そこにも」
そう言って持っている銃を抜き、ある一に発砲する
「ぐわぁ!?」
「あれ・・・・・・ほんとだ」
「な?今の時代も危ないがこの時代もある意味危ないんだよ。とりあえず、あいつを始末してから。対策を考えるとしよう。」
「そうね」