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雪連の夜酒と初の仕事

左馬助達は雪蓮の案内で城に一緒に着いた


「ほへぇ~でけぇなぁ~」


トラックの助手席から城を眺める。


「一応、私たちの城よ」


雪蓮がため息をつきながら言う


「一応ってことは誰か他の人のものなの?」


メリルが言う


「察しがいいなメリルは、その通りだ。ここは袁術という奴が領主をしている。」


冥琳が説明してくれる


「ん?袁術って、確か袁紹の従兄弟だったか?いや、もしかして袁術も女なのか?」


「あら、よく知ってるわね。その通りよ。それと袁術も女の子よ?それがどうしたの?」


「あ、いや、俺らの世界じゃあ、雪蓮や冥琳、祭は全員男なんだよ」


「む?そうなのか?」


冥琳が反応する


「ああ」


「まぁ、いろいろ話を聞かせてもらうわ。私と冥琳は袁術の方に行ってくるから、祭、あなたは二人の案内をしてあげて」


「承った」


そう言って一同は城に入り、左馬助とメリルにはそれぞれの部屋が充てがわれる。夜になり、メリルには冥琳が、左馬助には雪蓮がやってきた


~夜 左馬助の部屋~


「やっぱ、知らん土地だから落ち着き無いわな。無理もないけど、メリルは大丈夫かね?」


そう言いつつ、銃の整備を行う


トントン


不意にドアが叩かれる


「ん?はーい」


「やっほー左馬助」


来たのは雪蓮だった


「おう、どうしたんだ?こんな夜更けに」


「左馬助の話を聞かせてもらおうと思ってね。お酒でも飲みながら、ね?」


そう言ってどこから出したのか分からない酒瓶を出してきた


「ん。まぁ、多少なら問題ないか。」


「さっすが、左馬助、分かってる~♫ところで何してたの?」


「ん?ああ、こいつは俺らの世界の武器で銃って言うんだ。遠くの物体に当てるのに使われる」


「へぇ~!見せて見せて!」


そう言って近づく雪蓮、左馬助は持っている銃にセーフティを掛けて雪蓮に見せる。その後も酒を飲みながら左馬助のいた世界のことを話していった


「天界の世界も大変なのね~」


「いや、こっちはそれが普通だと思ってるからな。雪蓮たちがいるこの時代だって大変じゃないか?」


「そうね~私には母様からの夢を実現させるっていう目標もあるし、ここ最近は貧困のせいか山賊も出てきてるわね」


「目標か。持つにはいいことだ。もし、俺らの世界の歴史が通用するなら、それなりに役立てるはずだけどな。」


「あっ今思い出したことがあった」


「なんだ?」


「管路っていう占い師に偶然あったんだけどね。その人が言ってたのよ。乱世になるとき、白く輝く衣を羽織った天界の人間が来て乱世に終結を討ち果たさんだってさ。」


「なんだ?その占い。胡散臭いな」


「あたしも最初はそう思ってたけど、左馬助の話を聞いてほんとうかな~?って思い始めちゃってる。」


「だとしたら、俺とかメリルはまず当てはまらないだろうな。」


「なんで?」


「白く輝く衣なんて羽織っちゃいないし俺とかメリルはむしろ戦争を拡大させる火種になるかもな。この武器を持ってる時点で」


そう言って銃を持つ


「あはは、左馬助って意外と考えてるのね」


「そんなんでもないさ。俺らみたいな人間は向こうの人間からしてみれば、屑のような存在だからな。だが、俺らは俺らでこの生活を楽しんでいる。」


「はいはい、そこまでよ。左馬助の言いたい事はよくわかるわ。私だって、同じなのよ。」


「雪蓮が?こんなにも美人なのに?」


「うまいわね。左馬助。私も戦争というよりは戦闘を楽しんでるといっても過言じゃないわ。だから、民からしてみれば私たちの存在も左馬助と同じだっていうこと。でも、それを辞めるつもりもない。だって、全部は民のため。民が幸せに暮らせていけるのなら私はどんなことだってするわ」


「・・・・・やっぱ雪連は強いな。俺なんか到底足元にも及ばない」


「あらそう?」


「ああ、その心意気は認めざるをえないさ。立派だと思うよ。」


「ありがとう。左馬助。あら、そろそろいい時間ね。お開きにしなくちゃ。明日、朝、冥琳が部屋に来て仕事の内容とか教えるって言ってたわ。だから、寝坊とか気をつけなさいよね」


「ああ、大丈夫だ。こういうことは慣れてる。おやすみ雪連」


「ええ、おやすみなさい左馬助」


そう言って雪連は部屋を出ていった。左馬助もすぐに就寝して次の日を迎える


~朝、中庭~


左馬助は中庭らしき場所で朝練を行う。近接戦闘の練習だ


「ふぅーーーはぁ!てぇい!」


軽くジャブしたあとでそこからボディーブローからのパンチを出す。それを繰り返し、たまにバージョンを変えるものだった。


「そら!」


そう言って一通りの練習を終える。と、そこに・・・・・


パチパチ・・・・


「おろ?」


拍手のした方を見ると冥琳が立っていた


「素晴らしい演武だったな。左馬助」


「演武というか朝練だよ。俺の日課なんだ。いつどこで何時に戦闘がおきるか分かったものじゃないからな。そういう世界を生きてきた」


そう言ってタバコを取り出し吸う


「そうか。あれは左馬助が編み出したのか?今まで見たことがない」


「いや、天界の戦闘術と言ったところかね。それを俺なりに組み合わせたんだよ」


「ほう、それは素晴らしいことだ。」


「あっ話変わっちゃうんだけどさ。冥琳、ここの仕事を教えてくれるんだって?昨日、雪連から話を聞いてさ」


「む?雪連がそっちの部屋にいってたのか?まぁ、それは良いとして、その通りだ。ここに住むのならそれに従ってもらうぞ」


「郷に入れば郷に従えって事か。それは良いんだが、どんな仕事なんだ?」


「ああ、左馬助には兵科と書類仕事を、メリルには武器搬入の仕事をしてもらおうと思ってな」


「ふむふむ、もし、分からないことがあったら冥琳に聞きに行ってもいいか?時間が空いてる時でいいからさ」


「ああ、もちろん構わんぞ。こちらも人手が足りなくてな。猫の手も借りたいぐらいなのだ。では、書類の方は任せたぞ。兵科については祭殿にお願いしてあるからな」


「ん。了解~」


そう言って冥琳と別れた。そのあと、朝食を取ったあとで祭の所に行き、訓練を見学する。そして部屋に戻ると使用人が書類を持ってきていたので仕事を始めた左馬助だった


~左馬助の部屋~


「うへぇ~ほぼ中国語じゃねぇか。中国の傭兵と仲良くなっておいて良かったわ。」


そう言いつつ書類にどんどん書き込むのであった。と、そんな時に部屋のドアが開き、メリルが入ってきた


「う~左馬助~」


手には書類を持って


「ど、どうした?」


「中国語わかんない。教えて」


「あ、ああ。じゃあ、一緒にやるか。」


「ありがと~!左馬助が頼りだわ~!武器搬入だけど、どれも高すぎるのよね~」


「というと?」


「槍の数が今の兵士の数と合わないのよ。それで、ついでに冥琳から財政状態を聞いて絶句したわ」


「なんと?赤字状態なのか?」


「支出だけならまだしも収入でさえ赤字ギリギリなのよ?これじゃあ、いくら兵士を雇ったところで出来はしないわ。」


「となると、まずは財政をどうにかしなきゃいけないってことだよな。だとしてもこの時代じゃあ限られるよな。」


「そうよね。仕事とかなさそうだし、冥琳によれば袁術がこちらに資金を回さないのが原因らしいわよ?」


「袁術ってのは相当ひねくれてんだな。財政を直さなきゃいけないなら山賊から金品類を貰ってくるしかないわな。」


「そうよね。そうじゃなきゃ財政を直せないわ。まずは基礎を固めないと。その他の問題はそれからでも良いわね」


「だな。俺もさっき、祭の訓練を見てきたんだが、兵は少ないなりにしっかりとしてるんだよ。あれなら、多少は安い武器でも大丈夫だと思うんだよ。最初はそうでもしなきゃいけないしな。それにこの国の民は随分と貧困状態だ」


そう。最初に街に来た時の第一印象は民どころか街の活気が全くないというところだった。みんな貧乏で金もあるかどうか怪しいところだった。さらに袁術は自分のために金を使ってるとのことだった。


「いっそ、袁術に申し立てる?」


「いんや、俺らの顔はまずわからんだろうし、雪連や冥琳はまず話してないと思う。次の山賊討伐とかあれば、財宝とかっぱらって土台を固めなきゃいかん。メリルならその方法ぐらいわかるだろ?」


「まぁね。とりあえず、武器のルートを把握して、そこから一番効率の良いルートを探してみるわ。そうなれば、土台は固まるはずよ。」


と話しているとまた、ドアが叩かれる。入ってきたのは冥琳だった


「左馬助、あら、メリルもいたのね。丁度いい」


「どうかしたのか?」


「討伐命令が入ったわ。二人共準備して頂戴」


「噂をすればなんとかってね。」


「ああ、そうだな」


「?」


冥琳は二人の言ってることがわからなかった。そして、左馬助とメリルの二人は戦闘準備に入った

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