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異変

ここは、どこかの戦場。破壊された町並み、破壊された軍用車両。人の気配はなく遠くの方で砲撃の音が鳴っている。


ありふれた代理戦争。その戦場で、さまざまな人物が移動し銃弾が飛び交う毎日だ。そんな中を一台の装甲トラックが進んでいく。軍用トラックがベースの車だが、そこからさらに改造されており装甲車と見間違えるほどの外見だった


その装甲トラックを運転している人物を紹介しよう。


彼女の名前はアリシア・ウラル・メリル。歳は20台前半といったところだろうか。そんな彼女がやっている仕事は武器商人。正規軍から犯罪組織にまで幅広く商品を売っている死の商人だ。丁度ひと仕事終えて自宅に戻る途中であった。


「最近は金回りいいわね~ご機嫌になっちゃうわ!」


ご機嫌な様子でトラックを運転している。彼女はどんな人物であろうとも金さえ貰えれば仕事に行く人物だ。好きなものは金と酒、それに銃といったところだろう。そんな彼女だが、普段は勘が鋭く自分の危険が迫ろうならば即座に動ける人物なのだ。そのおかげで今まで生きて来れた。だが、今回は彼女の油断が仇となってしまったのだろう。建物の影から一人のゲリラ兵がRPGを彼女のトラックに向けて発射した


「!?しまーーーー」


そこで彼女の意識は途絶えた


もうひとり人物を紹介しよう。


赤城あかぎ 左馬助さまのすけ。日本人でありながら傭兵をしている20台の男だ。古い名前だがこれが彼の本名なのだ。元は自衛隊だったが、ルーチンワークと刺激のなさから自衛隊をやめ、傭兵稼業に転身。実績のおかげか金回りも良くなってきていた。おかげで最新の装備を持てるまでになっている。彼は作戦行動中でとある倉庫の付近にまで来ていた


「よし、ここらへんだな。要人がいる情報は。」


そう言ってGPSで確認を取る。GPSには倉庫のなかで点滅していた。彼はそれを確認すると慎重に倉庫に近づき中を確認する。敵兵はいなくひとりの男が椅子に縛り付けられていた


「よしよし、確認っと。」


そう言って近づいたのだが・・・・・彼は偽物だった。椅子に座らされていたのは人形でしかも爆弾付きというオマケだ。


「くそ!!!」


そう言った瞬間目の前が光意識を失う


~どこかの荒野~


果てしない荒野、空が青く光り、とても現代には見えない場所であった。そこに左馬助の姿があった。意識を失って倒れている


「う・・・・く、こ、ここは?」


左馬助があたりの様子を伺う。


「天国か?だとしたら殺風景な場所だな。おれはあの後爆発に巻き込まれたはずだったよな・・・・・でも、持っている装備もそのままだ・・・・・つねってみるか?」


そう言って自分の頬を抓る


「・・・・・痛い・・・・・ということは現実だろう。どうなってんだぁ?一体、何が起きたってんだ。」


そんなことを考えていると遠くの方から何かがこちらに向かってきていた。


「ん?敵か?だとしても隠れられる場所がないな・・・・・・」


そんなことを言っている内に左馬助の方でも視認できるようになった。一台のトラックだった。軍用トラックであることも確認できる


「軍用トラック・・・・・どっかの軍か?だとしたらありがたいな」


そう思っていると左馬助の前でトラックは止まった


「やぁっと人に会えたわ!ヘイ!そこの人!」


そう言ってトラックから人が降りてくる。どうやら女性のようだ


「女性か。どこの軍だ?・・・・・・それに聞き覚えがあるな」


「あら、奇遇ね。私もよ。知り合いの声にそっくりだわ」


そう言って彼女がトラックのドアを閉めた瞬間、二人が同時に言う


「メリル!?」


「左馬助!?」


二人が驚く。無理もない二人は知り合いで腐れ縁と言った方が正しいだろう。左馬助とメリルがあったのは戦場だった。お互い銃を構え合っていたが、両方のクライアントから裏切りにあい。背中を預けたもの同士だ。それからというもの何かと戦場であう二人だった。今では飲み友達であり仕事仲間だ


「しっかし、驚いたわ。まさか、左馬助と会うとはね」


メリルがトラックを運転しながら言う


「俺もびっくりだよ。まぁ、知り合いがいたってのは嬉しい限りだけどな」


窓を開けてタバコを吸う左馬助


「私も同感だわ。でも、ここはどこなのかしら?さっきいた戦場とは違うってのは分かるんだけどなぁ~」


「なんだ、仕事帰りだったのか?俺も任務で拉致られた要人を救出任務をしてたんだが罠にハメられてな。気がついたらここにいたんだ」


「私もよ。ゲリ兵がRPGを撃ってきてハンドルを切ろうとしたんだけど間に合わなくて終わったなぁって思ったらここにいたのよ。」


二人ともここに来るまでの過程を話すが共通点が見つからなくて困っていた。そんな時だった


「ん?なんだあの煙は」


「え?どれどれ?」


「ほら、あそこの黒い煙」


左馬助が指差す方向には確かに煙が立ち込めていた


「村かなにかかしら、行ってみるほうが早いわね」


「だな。どこか分かるかもしれん」


そう言ってトラックを煙の方向に向かわせる


~村~


「「な、なんじゃこりゃあ」」


村に着いて第一声がこれだった。村は確かにあった。しかし、何かに襲われたのであろう。村は壊滅状態で家も燃えていた


「おいおい、なんだ。この被害。周辺に軍とかいねぇのかよ。」


「それどころか全てがおかしいわね。そこの死体を見て」


ふたりの近くに首が無くなっているしたいが転がっていた。よく見ると銃槍ではなく刃物による切り傷が目立つ


「刃物で殺したってのか?にしちゃあ他の死体もおんなじだが、一体どういうことだ?」


そんなことを言い合っているとどこからか声がした


「うぅ・・・・・」


「ひゃっ!な、なに!?」


「あっちの家から聞こえたな」


そう言って左馬之助がM9を取り出し、家の中を確認しに行く。メリルも一緒についていく。家の中を確認するとひとりの青年が倒れていた


すかさず左馬助が声を掛ける


「おい、大丈夫か?」


「うぅ・・・あ、あんた達は?」


「通りがかりよ。大丈夫?」


「お、おらぁ、大丈夫だぁ・・・・」


「傷は深くない。応急処置程度ならできるから待ってろ」


そう言ってバックパックから医療キットを取り出し、青年の応急処置をする。数分後に完了し、青年の呼吸も落ち着いたようだ


「あ、ありがとぅごぜぇいますだぁ。」


「なに、礼には及ばんよ。にしても何があった?」


青年に事情を聞く左馬助


「さ、山賊だぁ山賊がこの村を襲ったんだ。食糧や金目の物、女は連れ去られた。た、頼むだぁ。見ず知らずの人に頼むのは申し訳ねぇが、女達は救ってきてくれねぇだか?」


「・・・・・・・分かった。やってみよう」


「ちょ、ちょっと!」


「メアリー」


「うっ・・・・分かったわよぅ。手伝うわ」


「あ、ありがとうございますだぁ。山賊はこの村を出て、近くの山の砦にひそんでるだぁ。このお礼は必ずしま・・・・す・・・」


そう言って青年が倒れる


「お、おい!?」


「大丈夫、気絶しただけよ。少し横になってれば回復するわ」


メアリーが青年の首を抑えながら言う


「にしても、どういう風の吹き回し?あなたにしちゃあ珍しいじゃない?」


「まぁ、気分だよ気分。それにここら辺の情報が手に入られるなら万々歳だ。メアリーもそれには賛成だろ?」


「うっ・・・・・反論できないのが悔しい・・・・・・分かったわ。私も手伝う。」


「OK。それじゃあ早速行ってみよう。」


そう言って二人は家を出てトラックで山賊の砦を目指すのだった

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