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二章5話 カオスアルマ


(お兄さん、大丈夫ですか?)


「あ?ここ何処だよ」


白い花と紅い花、あと雑草の茂る海の見える丘、空には夜の闇に映える紅い月。

エルリオールか?どうやら俺は生きてるみたいだな、だが本当にここは何処だ?


(今回はお兄さんの夢の中ですよ、僕がエルリオールに直接姿を現すわけにはいきませんから、お兄さんの夢の中に入らせてもらいました)


この頭に響く声、エルリオールの神様か・・・


(分身ですけどね~)


何でそんなに楽しそうなんだ?ってか神様がまた出て来たってことは、やっぱり俺死んだのか?


(死んでませんよ~ここはお兄さんの夢の中って言ったじゃないですか、お兄さんはちゃんと生きてますよ、ゴルドの陣営に運ばれて治癒魔法で傷も癒え、今は眠っているだけです)


そうか、まだ生きてるんだな、神様(オマエ)との約束も果たせてないし、すまないと思ってたんだよな・・・


(そんなこと無いですよ、お兄さんは既にエルリオールに結果を残しています。

シルバーリーフの隠された姫騎士、マテリアさんですけど、お兄さんが居なければあの夜、死んでいたでしょうね、お兄さんの血は彼女の内に宿る力にも影響したようですし・・・)


リアの消魔の力にも影響したのか、この世界の人間に俺の血って、副作用どころか結構相性良いのか?まぁ、リアがたまたま相性が良かったって可能性の方が高いから無闇に供血するのは避けるけど。


(っと、まだちゃんと生きてるんですから、こんな話は要りませんね、今日はお兄さんとした約束を果たす為に来たんですよ)


「約束?俺がエルリオールを救う為に行動するってやつか?」


(いえ、僕がお兄さんに力が必要になったらその時、僕がお兄さんに力を与えるってやつです)


あぁ、そんな約束もしたようなしてないような、あんまり気にしてなかったからはっきり覚えてないけど・・・


(ま、もう渡しちゃった後なんですけどね♪)


こいつ久々の登場にテンション上がってるのか?多分もう出番も無いだろうしここは何も言わないでおいてやろう。


「はぁ、で?使い方は?」


(ふふふ、力はもうお兄さんの物です。聞かなくても既に理解している筈ですよ!うん、説明が面倒だったとかじゃないですからね!)



「そうか、なら俺はもう行くぞ、あの魔剣部隊、放っておくと特異部隊のやつらが殺られちまうからな」



(はい、どうかこの世界(エルリオール)のことよろしくお願いします)



「ま、適当にやるさ・・・」



俺の意識は紅い月の浮かぶ夜の世界から遠退で行く・・・



(僕に残された時間もそろそろ無くなるようですしね・・・)



ん?あいつ、何か言ったか?



最後に何か聞こえた気がしたけど俺は確認する間も無く意識を覚醒させる。













「怪我人を野外に放置ってどうなんだ?」


目が覚めたら青空が見えた。まぁ魔法で傷は癒されているみたいだからいいか。


「目が覚めたか・・・」


ん?こいつは、ジンか?確か魔剣鍛冶師の孫で魔剣を破壊か回収してるんだよな。


「ジン?何でお前が居るんだ?」


「おいおい、わざわざ助けてやったのにそれは無いだろ?」


あぁ、こいつがあの状況から俺を助けてくれたのか。


「悪い、助かったよ・・・」


「おう、これで前の借りは返せたか?」


「充分すぎるな、ありがとう・・・」


身体を確認する、うん、問題無いな、本当に傷は完全に癒えているみたいだ。


「さて、俺たちは魔剣部隊を潰しに行くけどリョウイチはどうする?」


「当然!俺も行く!」


さぁて、神様(アイツ)に貰った力ってのを奮ってみるか・・・









さっきの戦闘とは数が違う、魔剣部隊に俺1人じゃなく特異部隊の奴等とジン達三人を加えて挑む。


1人でいるよりも狙われにくくなっているので、前より余裕を持って動けている。


特異部隊の奴等はクセがあるけど魔剣相手でも引けを取らないだろう、ジン達の実力は知らないが魔剣部隊から俺を救出したんだし心配する必要ないだろう。


別に貰った力を使わなくても勝てるんじゃねぇか?ジンが異常な強さを見せてるし・・・なんだよあの力?魔剣がバターか何かみたいに斬られていってるよ・・・


まぁ、使わなくても勝てそうでも、貰った力、ここで試すんだけどな!


相変わらず戦場は魔法が使えない、だけど確信している、俺の貰った力には封魔の結界なんて関係ない。



魔剣を持つ敵兵に近付きおもむろに魔剣を掴む。


「な!この!離せ!くそ!燃えろ炎刃!」


剣に炎が灯る、俺の手を焼いていくが気にせずに力を紡ぐ・・・




「力を秘めし魔の刃・・・


 今一時、この身体()は汝を糧とする・・・


 理を越え、朽ちたるこの身体に魔を宿す・・・


 朽ちたるこの身体をを鞘とする・・・


 魔剣武装(カオスアルマ)!」



掴んでいた魔剣が光を放ち弾けるように消える、代わりに俺の瞳が赤く染まり周囲に炎が揺らめきだす。


魔剣武装、力を持つ武器を一時的に身体に取り込み身体を強化しその武器の能力を行使する。

今の場合だと、相手からは武器を奪い、俺はパワーアップするといった反則的な力だ。


「さて・・・・・・暴れるか!」


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