これからのこと。
デューク様から四人でお茶会をしたと連絡があった。
「お嬢様、デューク様はなんと……?」
手紙には先日話したことが細かく書いてあった。確かに先日クラスの前を通ったとき、以前よりもわがままが過ぎているように感じていたが、まさかここまでひどくなっているとは思わなかった。
長期休暇からここ二か月くらいだろうか……ニーナがクラスに来ることがなくなっていて、すごく平和な時間を過ごしていた。
勿論廊下などに出れば、ニーナを見かけることがあったけど、アントン様と二人で歩いている姿は以前よりも少なくなってきているように思う。
「アントン様はそろそろ精神的にも限界が来ているみたい。ニーナがどんどん新しいものを購入しては請求書などを送ってくるみたいなの。」
ひどいのはそれだけではない。ルルー家だ。話を聞いているところ、すべて無視をしているということだ。そして、ニーナを怒りもしないからどんどんひどくなっていく。
「もしかしたらニーナを更生するというのは難しいかもしれないわ。それだけじゃない。ルルー家も今はニーナのことを放っておいている。そこがまず問題な気がする。」
ニーナは学生ではあるものの未成年だ。恋人宅に居座っているのもそうだが、ルルー家は言ってしまえば育児放棄に近くなってしまっているのだ。
そうなってくると事がどんどん大きくなっていってしまう。
「アントン様は家格的に手出しが難しいし、私はニーナから卒業できればそれでいい。レナード様やエリオット様、そしてデューク様の意見を聞いてうまくルルー家を動かせるようにしましょう。」
私はデューク様からもらった手紙の返信に、近々話したいことがあることを伝えた。それと同時に、レナード様、エリオット様の婚約者であるビアンカ、ヘレナにも実情を伝え、お二人に知恵を貸していただきたいと手紙を出す。
卒業パーティーまで残すところ一か月半しかないため、今週末急遽皆に集まってもらうことにした。
そして週末になり、皆が屋敷に集まった。
「今日はお茶会ではないのですが、急遽お集まりいただきましてありがとうございます。皆さんに少し知恵をお借りできればと思い、お集まりいただきました。」
そしてルルー家について今まで聞いたこと、ニーナのこと、アントン様のことを皆に話す。
「恐らくニーナについては学院でもそうですが、以前より過激になってきていますし、更生は難しいかと思います。」
「確かに少し難しいかもしれないわね。それにルルー家の話を聞く限り、子爵家をそのままにしておくのもどうかと思うわ。エリオット様、今回の話を聞いて法で裁けるところはないのでしょうか……」
「そうだね……まず、ニーナからティアナ嬢の件については誹謗中傷行為に当たるだろう。さらに、ルルー家からアントンの家については脅迫行為、迷惑行為に当たると思う。あとはルルー家からニーナに対しては児童虐待に値するだろうね。証拠がうまく集まればだけれど……」
そこからエリオット様は詳しく教えてくれたので、すべてノートに記していく。
私については最近そこまでのことが起きていないので証拠として挙げるのは難しいかもしれないが、お父様、お母様が集めてくれた今までの書類が手元にはある。
アントン家については現在進行形で起こっていることなので、アントン様に頼めば何とかなるかもしれない。
あとはルルー家がニーナに対して行っていることだけど、監督不行届きのところに入るだろうが、もしかしたら少し材料が薄いかもしれない。
でもできることをして少しでも周りに迷惑をかけないようにしてもらうのが一番だ。
「申し訳ないが、子爵家と男爵家のことだから王家が介入するのは難しいだろうが、児童虐待が絡めば別だ。その時は降爵するか最悪爵位剝奪となるだろう。それに見たところ町民の税金もうまく運営できていなさそうだしね。そこら辺ももしかしたら突かれるかもしれないね……」
確かにお金がないということはうまく領も運営できていない可能性が高いだろう。
私は色々話を聞いて今後動くことができる可能性が広がったなと思った。
「ありがとうございます。もう卒業パーティーまで時間がありませんし、できるところまで行ってみたいと思います。」
そう伝えて今日の話し合いは終了した。
***
デューク視点
「ティアナ、本当に大丈夫かい?」
ティアナが色々動いてくれるつもりでいるのは分かるが、一人で行うには時間が足りないだろう。
「できることまで行いますので大丈夫です。それに証拠まで集めて、卒業パーティー後に法務官へお伝えしようと思っています。なので今できることは証拠を集めることまでですね。それに半分以上は証拠が集まっていますので……気持ち的には落ち着いているんですよ。妙にすっきりしています。」
確かに以前よりもティアナの顔がすっきりしている気がする。卒業パーティーまでに少しでもすっきりしたようでよかった。
「アントンについてはこちらに任せてほしい。女の子から言われるのはさすがにかわいそうだからね。それよりももうすぐ卒業パーティーだ。俺が選んだドレスがそろそろ届くと思うから、ティアナが着るドレス姿を楽しみにしているよ」
ティアナが少し照れた顔をしているのを久しぶりに見た。
「私もです。デューク様。卒業パーティーで伝えたいことがあるので、少しお時間をください。」
顔を赤くしながらティアナが言うので、俺は笑いながら「わかったよ。」と伝えた。
ティアナの伝えたい言葉について、嬉しい言葉だと少し信じてもいいだろうか……




