不器用な勇者
とある村に1人の勇者が立ち寄った。
その村に着くとなんだか居心地がとても良かった。
何をしても褒められ、崇められ、讃えられたからだ。
そんな勇者は、昔、仲間からハブられたり、他の勇者からは馬鹿にされたりとされていた。
だからこそ、褒められ慣れてない勇者は、こんな予想外な展開にとても嬉しくなってしまっていた。
そして、時が経った。
また新しい勇者が村に訪れた。
そんな勇者は、新人勇者を手厚くもてなすと、色々と村のルールやスキルを教えた。
新人勇者は、どんどんとスキルを吸収していき、村人からも尊敬の眼差しが自分の時より、一段と多いと気がついた。
そんな光景に、恐ろしくなった古参勇者は、新人勇者をイビるようになっていった。
あんなに神々しかった勇者は、いまは、村人にとって悪魔的な存在に見えていくようになった。
それを見ていた新人勇者は、古参勇者を村人から庇うようになった。
しかし、そんな優しさをもらった古参勇者にとっては、嫉妬する行動に見えてしまった。
歪んだ感情は、徐々にエスカレートし、ついに援護すらできなくなってしまった存在に成り下がった。
新人勇者や村人から追放され、かつての勇者は、村の外に追いやられた。
「どうして....どうして....なんでこんな目に....」
泣きながら村をさろうとした時、村の中から楽しそうな音楽と新人勇者を慕う歓声が勇者の耳に入った。
そして、日が完全に落ち切った後、冷たい風を浴びながら岩に座り込むと、勇者は涙袋を大きくしながら深く反省をした。




