表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

序章:宇宙の均衡、その破綻の兆し

足を運んでいただきありがとうございます。

 




遥か高次元の存在、その名も「万物のロゴス」。


 それは、宇宙に存在するあらゆる事象の根源であり、生命の誕生から銀河の巡り、素粒子の振動に至るまで、森羅万象の摂理を司る絶対的な概念だった。ロゴスは感情を持たない。ただ、宇宙全体の「調和」と「均衡」が保たれているかを、永劫の時の中で監視し続けていた。



 そして今、そのロゴスが、ひとつの存在の「歪み」を検知していた。


それは、青く輝く第三惑星、地球。

この星に生を受けた存在、人類。神々によって生み出された人類は、本来、宇宙の摂理の一部として、与えられた「自由意志」を享受し、発展するはずだった。

 しかし、彼らはあまりにも速く、あまりにも傲慢に進化しすぎた。物質文明は地球の資源を貪り、精神文明は自己中心的欲望を肥大させた。神々の存在を忘れ去り、自らを世界の中心と錯覚するに至った。



 人類が排出した概念的な「おり」は、地球という惑星のオーラを濁らせ、やがて宇宙全体の「調和」にまで微細な亀裂を生じさせていた。ロゴスは、その亀裂の拡大を看過できなかった。

「人類は、その存在をもって、宇宙の均衡を乱している。」

ロゴスから発せられたこの絶対的な断定は、瞬く間に高次元の領域に存在する「神々の最高評議会」へと伝達された。議場に集うのは、各々の宇宙の法則や概念を司る、根源的な神々。彼らは感情を露わにすることは稀だが、この時ばかりは、重苦しい沈黙が議場を支配した。



 議論は尽くされた。人類の滅亡か、それとも救済か。

 しかし、ロゴスの意志は絶対であり、均衡を崩した存在は「無」へと回帰させるのが宇宙の摂理だった。


 だが、評議会の一角から、静かな声が響いた。 「最後の機会を、与えるべきだ。」 その声は、宇宙の因果律の象徴、業の神カルマだった。

「人類は、その自由意志によって、我々の想像を超える創造と破壊を為してきた。彼らの存在が宇宙の均衡を乱したのならば、その『存在価値』を、彼ら自身に証明させるべきではないか。」



カルマの提案は、神々にとって異例のものであった。

 しかし、ロゴスの裁定は既に下されている。その裁定を覆すには、人類が自らの「価値」を、神々を納得させる形で示さなければならない。



こうして決定されたのが、「最終審判テレスティアル・ジャッジメント」であった。 神々の代表と、人類の代表が、一対一の決闘を行う。それは肉体のぶつかり合いではない。魂の領域で繰り広げられる、「存在意義」を賭けた真の戦い。勝者は自らの信じる「ことわり」を宇宙に刻み、敗者はその存在を、記憶も記録も魂の痕跡も残さず、永遠の「無」へと帰す。



 この審判の様子は、全宇宙に中継されることとなった。それは人類への最後の警告であり、宇宙の調和を保つための、壮大な儀式だった────────




 



はじめまして ❁

読んで下さりありがとうございました。

小説作り初心者ですが、応援して下さると嬉しいです。


垢名こそ違いますが「プリ小説」様でも活動させてもらっています。

よければ ☞ https://novel.prcm.jp/novel/zPDykHlt9jxryaWFhT8K




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ