二人の食事会と不安な出来事
天空船の中で族長ファリアスはいつものように
クリストファルに招かれていた
共に手を携えて歩み親しい仲となっていた
「お茶でもどうだい?ファリアス何がいい?
紅茶 ハーブテイ コーヒー ココア?
柚子茶も先日届いた
好きな物をどうぞ 酒は夜の食事の時に用意するよ」
「遠い地球という星の赤ワイン
2百年前の最高の時期に作られたそうだよ
ブルーチーズもお菓子もある」
「それは楽しみだ
デアンカから採れた乳酒を持ってきた 砂魚の干したもの
ご希望の3つ目の怪物の目玉の煮込んだものも ふふ」
「それは有難い 嬉しいよファリアス」
机の傍の小さなテーブルに
3D立体映像の小さな写真で映像がある
とても美しい砂漠の民の娘の映像
もう一つ 同じく3D映像
笑う小さな子供の映像
クリストファルによく似ている
「・・・ライアの事は残念だった
私も従妹の死が悲しい」
「私もだよファリアス 小さな子を残して妻が亡くなり
もう恋などしないと思っていたが
ライアに心を寄せて 恋に落ちて・・・
しかし 彼女は死んでしまった」
「クリストファル」
「私には 私の故郷
水の惑星フォルトーナに
可愛い小さな子供が待っているから
気にしないでくれ」
「ファリアス 君と私の副官エリュシュとの結婚式が
私は楽しみだ ふふ」
「・・・有難う 嬉しいよ」
「・・宇宙通信で私の子レイルと君の子供
フェレイラ君がすっかり仲良しだ
いずれ私の故郷の方か
こちらの砂の惑星ヴァンダルで会わせたいものだ」
「ああ・・映像で見たが
とてもクリストファルの故郷は美しい」
「正確には私の故郷は新星となり消えて 移住した先だよ」
「そうなのか!新星?」
「言わば 星が壊れたという事だ」