八重子とは
※八重子の出てこない作品を読んで下さっている方は八重子の部屋とか言われても意味不明なのではと思い、完結記念などをよりお楽しみにいただけるように、人物紹介的なページを置いておくことにしました。
※謎が深まるだけのような気もしますがご容赦ください。
◼️八重子とは何か
拙作『溺愛極道と逃げたがりのウサギ』にて、湊の友人兼謎の美少女として活躍?したキャラクター、八重崎木凪が女装時に名乗った名前。フルネームは三浦八重子。
一五〇センチに足りない華奢すぎる肢体、透き通るような白い肌、ガラス玉のように何も映さない瞳と動かない表情筋が、現実離れした美貌を更に幻想的に見せている。
二次元から飛び出してきたような美青年だがしかし、人類を概ね観察対象としてしか認識しておらず、興味の矛先は夜の営みに関することが多め。
惚れた腫れたの話に食いつき、法も時空も人知も超えてその様子を盗撮盗聴したりするが、本人曰く腐男子というわけではなく、あくまで研究の一環であり、友人である瀬能(腐男子)への土産話にするためということらしい。
三点リーダー症候群(素なのかキャラなのかは不明)。
謎の言動で場の空気を混沌とさせるだけさせて去っていく。
ガチムチ極道(本人の定義による)に謎の敵愾心を燃やしている。
見た目は綺麗だけど様子のおかしいメタ&チートキャラという認識で大体OK。
登場作品
『八重子の部屋』
『溺愛極道と逃げたがりのウサギ』
『不器用な初恋を純白に捧ぐ』
『けなげなホムンクルスは優しい極道に愛されたい』
『いじわる社長の愛玩バンビ』※風の噂としてのみ登場
『狂気のBLにて』(漫画)
◼️八重子迷作劇場
「八重崎さんが竜次郎に連絡してくれたんですか?」
暗く狭い階段を上りながら、八重崎のお陰かと問いかけてみたが、相手の反応は薄い。
「八重子は……サタデーなナイトにフィバりに来ただけ……。反社の脳筋とは無縁のナウでヤングな女学生……」
自分は友達としてついてきただけだ、と言ってくれようとしているのはうっすらとわかるのだが、どう返せばよいのか……。竜次郎も「どこから突っ込んでいいのかわかんねえんだが」と頭を掻いている。
ー極道とウサギの甘いその後3-8より
「壁に耳あり障子にメアリー、今あなたの後ろにいるの」
考え込んでいると、突然背後から声がして、驚いて振り返る。
「木凪……。びっくりしました」
「いや、というか、慣用句間違ってる上に混ぜるな危険!」
突如としてバックヤードに姿を表した八重崎は、碧井のツッコミに、無表情のままダブルピースをした。
「言葉は……時代によって変わっていくもの……。『笑』が『草』になるくらいだから……メリーさんもメアリーさんになるかもしれない……」
「相変わらずどこから突っ込んでいいかわからない……!」
碧井が頭を抱える。
ー不器用な初恋を純白に捧ぐ30より
「……八重子、許可を得ずにこうした場に参加するのはマナー違反ですよ。それから、そのグラスは私物ですか?船内から持ってきたのならお返ししないと」
どこからどう見ても美少女メイド(ただし創作の中の)に見える八重崎は、名前の言い直しを強要しておきながらもましろの話などどこ吹く風で、手の中のグラスをおもむろに壁に当てて、耳をつける。
「こうやって壁にグラスを当てると……中の声が聞こえるって……どこかの誰かが教えてくれた……」
「え……それだけで室内の声が聞こえるようになるのですか?」
「でもそれはただの迷信……穴でも空いてなければ…振動が伝わりやすくなる程度……」
「…………………………」
「…………………………」
「あの、じゃあ、何故、」
「盗聴器を仕掛けるのは、犯罪だから……」
どこまでも噛み合わない会話に、ましろは屈強な男と三人でがっくりと肩を落とした。
ー不器用な初恋を純白に捧ぐ58より