九十・危なすぎるんだっての
九十・危なすぎるんだっての
「「「「「 いっちごーの♪ かっわいーい♪ おーだんごあたまー♪ 」」」」」
「「「「「 すっきなーの♪ いっちごーの♪ みーるくおーれー♪ 」」」」」
「「「「「 みーんなーでー♪ いちごいちご♪ へいへい♪ べりべりー♪ 」」」」」
ウオオオオオオオオオオオ キャアアアアアアアァ
昨日と同じく、ステージ上には七色のスポットライトがクルクルと回転し、トチベリー25のメンバーが激しく歌って踊っている。客入りは、変わらず満員の五千人ほど。
あれから、野上たちはまた大麻を吸い、ステージに上がっていた。その様子を、会場の隅で冷ややかな目をして見つめる紅葉。
「(こんだけのファンがいて、誰もこいつらにあんな裏があるとは知らないんだな・・・・・・)」
ウオオオオオオオオオ ウオオオオオオオオオオオン
大歓声とミュージックが混ざり合って反響し、地鳴りのような音となって耳に届く。
「ふんふふーん。仕事に不満かな、常盤紅葉?」
「あ! 十六夜っ・・・・・・」
舞台袖からふっと現れた十六夜が、会場を見つめる紅葉に、ぼそっと語りかけてきた。
「不満どころか、大爆発直前だなアタシ。あのトチベリー25は、本当に気にくわない」
「ふんふふーん。そうかい。ま、今日はこのあと、握手会もあるからね。最後まで何事もないように、よろしく頼むよー」
「・・・・・・何なんだよ。まぁ、二日で三百万もくれる理由はわかったけどな」
「ふふーん。ま、そういうことだ。下手なコトせず、黙っててねー?」
「・・・・・・昨日、あんたの代わりに取引した男、拳銃っぽいものをアタシに突きつけやがったけど、いったい、ガブーンバイパー社ってどれだけヤバいんだよ?」
「さぁね? ・・・・・・また別な仕事を頼むから、よろしくね。常盤紅葉」
「嫌だよ。もう、アタシは、こんな危険でヤバい世界、二度とゴメンだね!」
「そう言うなよぉ? もっと稼げる良い仕事が、まだまだあるんだぜ?」
「嫌だ。アタシはもう、辞める。・・・・・・ヤバすぎだっての・・・・・・」
「ふんふふーん。社長もきみをお気に入りなんだけどねー? そうだ、だったら・・・・・・」
十六夜はその後も紅葉を何度も口説いていた。紅葉は全て「嫌だ」と断り続けていた。




