表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
振り子  作者: 糸東 甚九郎
第十幕  常盤紅葉と野上アンの明暗
87/211

八十七・心配なんだよ、やっぱり

八十七・心配なんだよ、やっぱり



   ・・・・・・ブイイイーンッ  ブウウゥーンッ


「ねぇ、紅葉?」

「ん? なに?」

「・・・・・・ガブーンバイパー社ってさ、あたし、調べたんだけどね・・・・・・」

「うん」

「やっぱり、最近あまり評判よくないみたいね・・・・・・。今日で、終わりでしょ?」

「まぁな。・・・・・・ママ、実はさ・・・・・・」

「ん?」

「・・・・・・昨日、あの三島華蓮さんに、アタシ、ママにそっくりだって言われた」

「えっ、華蓮に!? ・・・・・・あー、しばらく華蓮にも会ってないなー」

「でさ? 華蓮さんも何か、ガブーンバイパー社はヤバいから縁を切った方がいいって言っててさ。警察にも知り合いがいるらしくて、何か変なことがあったらすぐに教えてって言われたんだよ」

「警察? ・・・・・・ああ。きっと、久保さんかな・・・・・・」

「久保さんって、いま、県警本部の刑事課にいるっていう?」

「たぶんそうだよ。華蓮、あのデスアダーの件が終わった後、久保さんによく芸能界の闇みたいなことを、話してたからね。まだ、繋がりがちゃんとあったんだー・・・・・・」

「アタシはよくわかんないけど、ママも昔、その久保さんって刑事に世話になったんか?」


 紅葉は、運転する小紅の顔を見て、問う。


「久保さんは、昔は交番勤務のお巡りさんでね。あたしの実家近くの交番で、よーく話聞いてもらったりもしたなー・・・・・・」

「交番で話、って・・・・・・。ママ、何か悪いことして捕まったとか?」

「バカね! 逆よ! 悪い奴をあたしが捕まえて、よく交番に突き出してたの!」

「な、なんだ。そうかよ・・・・・・」

「久保さんも、今は県警本部で、麻薬捜査関連の担当をしてるみたいね。・・・・・・紅葉も、華蓮と会えたんじゃよかったね?」

「華蓮さん、アタシのこと知ってたぞ?」

「あんたが生まれた時、お祝いに来てくれたのよ。あんたを抱っこもしてくれたよ」

「あ。それで・・・・・・」

「華蓮ともまた会いたいな。連絡先、あたしのスマホに入ってないのよ」

「じゃあ、アタシから華蓮さんに伝えとく?」

「お願い、紅葉。・・・・・・そろそろ着くよ」

「あ、そうか。・・・・・・ママ、送ってくれて・・・・・・ありがと」

「はいはい。・・・・・・ここがそのイベント会場? パパも連れて、今日、来てみようかな」


 小紅は、駐車場へ車を停めた。


「いいよ、見に来ねーで。・・・・・・チケット無いと入れないよ?」

「そっか。じゃあ、だめだね。あんたが仕事してるところ、見てみたかったんだけどねー。残念。じゃ・・・・・・紅葉、気をつけてね? ちゃんと、無事に帰ってきてよ?」

「何? 大げさなんだよ、ママは。ちゃんと帰るって。昨日だって、ちゃんと帰ってたろ」

「・・・・・・あたし、昨日の記憶があんまりないんだよ」

「飲み過ぎなんだよ。帰ってくるなり、アタシと優璃でママとパパを介抱したんだぞ」

「え、そうなの! ・・・・・・あたし、水穂のこと言えないじゃん・・・・・・」

「まぁ、いいや。ありがと。おかげで間に合った!」

「何かあったら連絡しなよ? ファイト、紅葉」


 小紅は窓を開け、降りた紅葉に手を振って、帰っていった。

 その様子を、遠くから七人の影が見つめていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ