八十・バイト初日、終わる
八十・バイト初日、終わる
バルルルル・・・・・・ バルルルルッ・・・・・・
紅葉は、玄桐に家まで送ってもらい、三田との取引で得た残りの金も「ガソリン代」として手渡した。
「いいのかよぉ、紅葉・・・・・・。苦労したのは、紅葉なんだぜぇ?」
「いいよ。約束だしな。・・・・・・それにアタシ、その余計な金は予想外だったから」
「バイト代とその金合わせて、いきなり百九十八万円かー。・・・・・・バカ狩りの頃から、なんだかすげーレベルアップした感じだぜぇ」
「ちっ! ・・・・・・アタシは、バカ狩りのが楽だった気がするよ・・・・・・」
紅葉は、舌打ちをして、眉をぴくぴくと震わせている。
「ま、まぁまぁ! おいらも家に帰ったら、さっそくこの金がどれくらい活かせそうか、親父に聞いてみるからさ! あと、ネジはたぶん親父がちゃちゃっと作れるだろうから、紅葉の父ちゃんにもよろしく言っといてくれな?」
「・・・・・・わかった。・・・・・・今日はありがとな、玄桐。悪いけど、明日もよろしく」
「おぅよー。また、早朝に迎え来るぜぇ! じゃあな、紅葉」
「また明日。・・・・・・じゃあね!」
バルルルルー バルルルルンーッ・・・・・・
玄桐は、紅葉の目の前でUターンし、帰っていった。
「(やれやれ・・・・・・。とんでもねぇ一日だった。ま、何だかんだでとにかく・・・・・・明日さえ乗り切れば・・・・・・)」
玄桐を見送った紅葉は、夜空を見上げ、数分後に玄関のロックを解き、中へ入っていった。
その七分後、白い外車が紅葉の家の前に停まり、優璃が降りてきた。車からは、穂花と良太が優璃に手を振る。さらにその四分後、近くのバス停から小紅と優太が歩いて帰ってきた。
空には下弦の月が淡く輝き、常盤家の付近を月明かりが緩やかに照らす。しだいに濃紺に染まった雲が増え、月明かりを遮って、光を覆い隠していった。




