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振り子  作者: 糸東 甚九郎
第九幕  救世主、あらわる?
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八十・バイト初日、終わる

八十・バイト初日、終わる



   バルルルル・・・・・・  バルルルルッ・・・・・・


 紅葉は、玄桐に家まで送ってもらい、三田との取引で得た残りの金も「ガソリン代」として手渡した。


「いいのかよぉ、紅葉・・・・・・。苦労したのは、紅葉なんだぜぇ?」

「いいよ。約束だしな。・・・・・・それにアタシ、その余計な金は予想外だったから」

「バイト代とその金合わせて、いきなり百九十八万円かー。・・・・・・バカ狩りの頃から、なんだかすげーレベルアップした感じだぜぇ」

「ちっ! ・・・・・・アタシは、バカ狩りのが楽だった気がするよ・・・・・・」


 紅葉は、舌打ちをして、眉をぴくぴくと震わせている。


「ま、まぁまぁ! おいらも家に帰ったら、さっそくこの金がどれくらい活かせそうか、親父に聞いてみるからさ! あと、ネジはたぶん親父がちゃちゃっと作れるだろうから、紅葉の父ちゃんにもよろしく言っといてくれな?」

「・・・・・・わかった。・・・・・・今日はありがとな、玄桐。悪いけど、明日もよろしく」

「おぅよー。また、早朝に迎え来るぜぇ! じゃあな、紅葉」

「また明日。・・・・・・じゃあね!」


   バルルルルー  バルルルルンーッ・・・・・・


 玄桐は、紅葉の目の前でUターンし、帰っていった。


「(やれやれ・・・・・・。とんでもねぇ一日だった。ま、何だかんだでとにかく・・・・・・明日さえ乗り切れば・・・・・・)」


 玄桐を見送った紅葉は、夜空を見上げ、数分後に玄関のロックを解き、中へ入っていった。

 その七分後、白い外車が紅葉の家の前に停まり、優璃が降りてきた。車からは、穂花と良太が優璃に手を振る。さらにその四分後、近くのバス停から小紅と優太が歩いて帰ってきた。

 空には下弦の月が淡く輝き、常盤家の付近を月明かりが緩やかに照らす。しだいに濃紺に染まった雲が増え、月明かりを遮って、光を覆い隠していった。


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