四十三・常盤紅葉 対 早乙女小紅
四十三・常盤紅葉 対 早乙女小紅
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「あれ? アタシ、優璃と寿司食べて帰ったんじゃなかったっけ? どこだここ?」
「・・・・・・ねぇ? なんであんた、あたしと同じ髪留めしてんのよ? そこ、どいて?」
「え? ・・・・・・うっそだろ! なんでママが制服で!」
「はぁ? 失礼だな。誰と間違えてんの? あたしを幾つだと思ってんのよ!」
「(なんだこれ? てか、実際目の当たりにすると、アタシとママ、よく似てるなー)」
「ねぇ! あたし、急いでんの! 帰るんだから、いい加減そこ、どいてくんない?」
「・・・・・・何か、よくわかんねーや。・・・・・・あえて、イヤだと言ってみる。通さねーよ!」
「はぁ? その制服、宇河商業? あんた・・・・・・どっかで見たような気もするけどさぁ」
「そうか。きっと、夢だ! ママ! ・・・・・・通りたかったらアタシを倒してみろよ!」
「何なのよ、急いでんのに! あたしは帰るんだ。そこをどけっての、ろくでなし!」
「(この短気っぷり、話し方、どー見てもママだ。面白い! どーれ。腕試しに・・・・・・)」
ババババチイッ! ドガガガァッ! バチバチバチィッ!
「な、なんっだこれ! 夢だろ? い、いってぇー・・・・・・。ママ、恐ろしく強ぇじゃん」
「なんか、あんた他人な気がしなくてさ? だから手加減したよ。なんか不思議な感じ」
「アタシより、数倍強いんだな、昔のママ・・・・・・。なぁ、名前、小紅ってんだろ?」
「え! なんであたしの名前を!? ・・・・・・ほんと、いったい誰なのよ、あんた?」
「・・・・・・紅葉だよ。・・・・・・あー。やっぱり、ママには敵わねーな・・・・・・」
「くれは? ふーん。・・・・・・紅葉ね。・・・・・・紅葉。・・・・・・紅葉!」
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「・・・・・・葉。・・・・・・紅葉! おい、紅葉ってば!」
「・・・・・・。・・・・・・え! は? え?」
紅葉は、リビングのソファーでお腹を出して、仰向けに寝ている。
数回大きな声を出し、小紅が揺り起こしてやっと目を覚ました。
「・・・・・・なんだ。やっぱ、夢かよー・・・・・・」
「夢見ながら、なんかジタバタしてたよ? まぁた、喧嘩でもしてる夢見たんでしょ!」
小紅は、紅葉のおでこにデコピンをして、キッチンへ向かった。
「まぁ・・・・・・。間違ってはいないかな・・・・・・(相手はママだったけど)」
「ねぇ、紅葉?」
「・・・・・・なに?」
「バイト、今度の土日なんだって? 優璃が言ってたよ。・・・・・・危ないバイトじゃないんでしょ?」
「だいじだって言ってんだろ。アタシ自身のことには、自分で責任持つっての」
「まぁ、あんたも自分なりにいろいろ考えてるんだろうから、あたしはもう、そんなに言わないことにするよ。・・・・・・ただし、危ないことだけは、ほんとにやめてよね」
「は? な、なんだ急に? ママらしくねーじゃん。・・・・・・そう言えば、優璃は?」
「友達と図書館で勉強してくるってさ。たぶん、穂花ちゃんとでしょ」
「・・・・・・あー。それは、ママ・・・・・・」
「ん?」
「・・・・・・やっぱいいや。・・・・・・ねぇ。なんかママのアルバムから、これが出てきたんだけどさ・・・・・・」
紅葉は、ポケットから写真を取り出し、小紅に見せた。
小紅はその写真を見て、「あら」と言い、にっこりと微笑んでいる。




