三十六・紅葉、試される
三十六・紅葉、試される
ばしゅ! ばしゅしゅ! どすんどすん!
どんどんどん! ぺちんぺちん!
紅葉と玄桐が地下のホールに入ると、男が三人、ウォーミングアップをしていた。
「(なんだ、こいつら? ・・・・・・そうか。これが腕試し用の、テスト相手ってことか)」
その男たちを、きりっと睨む紅葉。一之瀬が、靴音を響かせ、口を開く。
「あぁ、紹介しよう。今回、常盤紅葉さんの腕を見せてもらうべく、相手役として来ていただいた三人。牛原琢郎くん。鹿山金平くん。鳥嶋安男くんだ。遠慮なく戦ってほしい!」
「うす。牛原だ。うす。・・・・・・柔道五段! 喧嘩百段! 女なんか、メじゃねぇっすよ!」
「なんだ、女か! 俺ぁ昔、暴走族『殺人毒蛇』三代目総長だった、鹿山ってもんだ!」
「ふひひ。ふへっ。ふへっ・・・・・・。ミ、ミーは、鳥嶋やっちゃん。・・・・・・うにゃにゃぴー」
厳つい体格をした牛原、紫色の特攻服を着た鹿山、そして丸眼鏡をかけて青白く痩せこけた顔の鳥嶋。三人の男が一斉に、紅葉に目を向け、不気味な笑みを浮かべる。
「常盤紅葉さん。この男たちを十分間、相手できるか? 一応、グローブはつけてもらう」
「(や、やべぇよ紅葉ぁ! ぜってぇ無理だよ! 相手、やばいのばっかだぁー)」
「三人ぶっ倒せばいいんだろ? やれやれ。ちっとは、アタシを楽しませてくれんのー?」
ぎらつく目をした男たちを前にしても、動じない紅葉。だが、玄桐はぶるぶる震えている。
十六夜はその後ろで、内線を使って「準備できました」と、どこかへ電話をしていた。




