二十・ビッグスクーターはとにかく走る
二十・ビッグスクーターはとにかく走る
バルルルルルルゥー バルルルルンーッ・・・・・・
紅葉は、運転する玄桐の後ろで、十六夜の言葉を振り返っていた。
「(アタシの腕を見込んで、か・・・・・・。派遣先でアクションを活かす・・・・・・ねぇ・・・・・・)」
「・・・・・・ーぃ。おーい、紅葉ぁ? さっきから、おいら、呼んでるんだけどー?」
「え? あぁ、悪ぃ! ・・・・・・なに?」
「今日は、バカ狩り、どーすんだぁ? おいら、もうちっと金が欲しいんだけどよー」
玄桐はスピードを上げ、一気に前の車を抜き去って、交差点の黄色信号を突っ切る。
「・・・・・・なぁ、玄桐?」
「はぃー? なんでしょーかぁ?」
「お前さ、なんでアタシと組んでまで、バカ狩りで金稼ごうとしたわけ? 普通にバイトするとかして、地道に金を稼ぐってことは、考えなかったんか?」
風を切る音に負けないように、紅葉は玄桐の後ろから、大声で問う。
「あー? ・・・・・・だってよぉ、バカ狩りなら、すぐに大金が手に入りそうだろぉー? おいらは、金がたくさん欲しいんだよー。だからぁ、紅葉と組んで、たくさん金を得て、いろいろと楽しんだりしたいんだよー」
「はぁ? それだけ? ・・・・・・言っとくけどアタシは、暇だし、やることねーし、それで暴れてスッキリできて小遣いまで手に入るから、お前と組んでるだけだからね?」
「別に、それでもいーよー。でも、いまはとにかく、おいらと組んでるんだから、バカ狩りをよろしく頼みますよーっ?」
玄桐は、にやっと笑って、さらにスピードを上げる。紅葉は、靡くポニーテールを片手で押さえながら、シートに跨がって、風の中を進んでゆく。
「(おいらには・・・・・・金が必要なんだ! なんでもいいや。とにかく、金がね・・・・・・)」
バルルルルンーッ バルルルルンーッ・・・・・・
二人は、県南方面に向かって、そのまま走り抜けていった。




