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振り子  作者: 糸東 甚九郎
第三幕  姉と妹の、進む道
18/211

十八・優璃と穂花、男たちに絡まれる

十八・優璃と穂花、男たちに絡まれる



   ・・・・・・ケロケロケロケロ

  クワクワクワクワ・・・・・・


 用水路の脇で、アマガエルがフキの葉の上で鳴いている。アジサイも露で輝いている。


「・・・・・・ふーっ! 今日もたくさん、やりましたっとー」

「ほのかちゃん、お疲れ様。はいっ、これ!」


 優璃は図書館の駐輪場で、穂花にスポーツドリンクのミニボトルを手渡す。


「え! サンキューっ! たすかるー」

「飲もう! 今日は、ゆりからのサービスね!」

「ありがとぉー。じゃ、明日はわたしがおごっちゃうー」


 二人は飲み物を飲みながら、自転車を押して歩いてゆく。


「ゆりね、今日、やっと進路のプリント、先生に出してきたよー」

「おー。柏沼で出したの?」

「うん。先生はちょっと、微妙な顔してたけどさ。ゆり、がんばるから!」

「よっしゃ! その意気、その意気! わたしも、ゆりちゃんと柏沼入れたら嬉しい!」


   ・・・・・・こんっ!


 その時、優璃たちの前から、作業着姿でタバコを咥えた五人組の男たちが歩いてきた。

 そのうちの一人と、すれ違いざまに優璃のバッグが少しだけ腕に触れた。


「・・・・・・いってぇ。いーってぇー。おい、どこ見てんだ、お前?」

「え? あっ。す、すみません・・・・・・」


 優璃は男に何度も頭を下げ、穂花とまた歩き出そうとした。


「まてまて。おい、きみ、中学生?」

「なんだぁ、どうした? へへへ・・・・・・」


 男たちは、優璃と穂花の自転車を掴み、ニヤニヤしながら帰そうとしない。


「(ゆ、ゆりちゃん! やばくない? ひえぇー)」

「(ど、どうしよう。ゆり、ちゃんと謝ったんだけどなぁ・・・・・・)」

「お前がバッグをぶつけたからさぁ、お兄さん、腕、痛くなっちゃったよー?」

「へへへ。どうすんの? こいつの腕、仕事で必要だぞ? なら、お詫びが必要でしょ?」

「え? えええ? そ、そんなぁー・・・・・・」


 優璃は、おびえている。穂花も横で、おびえて震えている。

 男たちは、「ちょっと来いよ」とニヤニヤしながら、優璃と穂花をむりやり近くの公園に連れ込もうと、腕を引っ張った。


「や、やめてくださぁい! やめてぇー。ゆり、ごめんなさいって言いました・・・・・・」


   ・・・・・・かつっ  かつっ  かつっ  かつっ・・・・・・

   バシイィッ!  ゴシャアッ!  ドサドサッ!


 優璃に絡んでいた男二人が、植え込みに吹っ飛ぶ。

 他の男たちは、呆気に取られていた。


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