12/211
十二・玄桐、猛ダッシュ
十二・玄桐、猛ダッシュ
「なぁ! おじさんよぉ! ちょっとだけでいいんだよ?」
「オレたちの店に、寄ってってくれよ。三十分でいいからよぉー」
「ちょ、ちょっと待ちたまえ。あ、あなたたち・・・・・・。わ、私は・・・・・・」
宇河宮市の駅東口通りで、か弱そうなサラリーマンが二人の男に詰め寄られている。黒服を着てセカンドバッグを持った大柄な男と、艶のあるスーツ姿で小柄な金髪の男。
・・・・・・だだだだだだっ ばしっ! だだだだだだ
「へへっ! や、やったぜ!」
男のセカンドバッグを、玄桐が後ろから奪い取って、走り去る。
「あ? あ! な、なんだあのガキ! 俺のバッグを!」
「あんの野郎っ! おい、おじさん! 今日はいいや。今度は来てくれよな!」
「待ちやがれ! このクソガキ! なめんじゃねぇぞーっ!」
男たちは、玄桐を追い、猛ダッシュ。サラリーマンは、「助かったの?」と言って、その場からそそくさと逃げていった。




