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振り子  作者: 糸東 甚九郎
第十一幕  静かに始まる、三十五億の争奪戦
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百三・謎のドラッグ

百三・謎のドラッグ



   フワアアァァ・・・・・・  ホワアアアァ・・・・・・

   スウウゥ  フウゥー・・・・・・


「ふんふふーん。さぁ、今日で吸い納めだぞ? しばらく日本には戻らないんだからね」

「「「「「 キャアァッハハハッ!  キャーハハハハ! 」」」」」

「ありがとぉー、ございまぁす! 一之瀬専務! 十六夜部長ー」


 トチベリー25のメンバーは、イベントの全行程を終え、ガブーンバイパー社の一室で白い煙を吸いながら、全員微睡んだような目になっている。

 その中で野上は、十六夜に呼ばれ、小さな錠剤を渡された。


「(野上。今夜はまだ、お前たちに『仕事』を頼みたいんだ。だから、これも飲んでみ?)」


 小声で説明する十六夜。野上は、とろんとした目で、その錠剤を飲む。

 すると、数分後、それを飲んだ野上の様子に変化が現れた。


「な! 十六夜? 野上に『あれ』を与えたのか? ・・・・・・大麻とはまるで違う反応だな!!」

「ふんふふーん。ベトナムから密輸した、非合法ドラッグ。ま、様子を見てみましょう」


 困惑する一之瀬。十六夜は鼻歌を歌いながら、様子が変化した野上を見て平然としている。


「・・・・・・はあぁぁ。ふはぁー。・・・・・・あは。あはははっ! あはははは! はははは!」


 大声で笑い出す、野上。他のメンバーは、それを見て、一斉に動きを止めた。


「・・・・・・ほわああぁ? ああぁ? わ、わたしぃ・・・・・・。なーんでもできちゃうーっ!」


   ・・・・・・ぐういっ!  がしっ!


 突然、野上は近くにあった重いテーブルを持ち上げた。そして、大笑いしている。


「「「「「 す、すっごぉぉーい、野上さん! わたしも! わたしも! 」」」」」

「はいはい。ふんふふーん。エサのお時間だよー。ほぉら、飲むと良い」

「おいおい、十六夜。・・・・・・やりすぎではないのか? 今、与えなくても・・・・・・」

「どうせ、ベトナムへ行けば、もっとひどいことになります。遅かれ早かれ、ね?」

「ふぅぅ・・・・・・。こうなっては、アイドルグループも終わりだね。ま、いい潮時かもな」


 十六夜が与えた錠剤を、次々と飲むメンバーたち。まるで火事場の馬鹿力のように、お互いを軽々と持ち上げたり、部屋の中の重い物を持ち上げたりして、ハイテンションで騒ぐ。


「(ふんふふーん。この馬鹿力なら、あの金を運び出すのも、楽にできそうだなー)」


 野上たちを見て、にやりと笑う十六夜。一之瀬は、その顔を、横目でじっと見つめている。


「・・・・・・あひゃひゃひゃぁ! わたしぃー、ちからもちぃー! ぽわぽわぁぁーっ!」


 次第に、呂律が回らなくなり、意味不明な言動を始めた野上。


「「「「「 ひゃあははははは! あひゃはははははは! はははははっ! 」」」」」


 完全に、薬物でテンションと筋力がおかしくなったトチベリー25のメンバーたち。

 十六夜と一之瀬は、それをじっと観察している。


「(あとは・・・・・・。副社長にこれを見せ、やっていただくとしましょうかねー)」


 前髪を指でさっとかき上げる十六夜は、一之瀬とともに、部屋から出て行った。


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