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振り子  作者: 糸東 甚九郎
第二幕  紅葉と優璃。紅色の髪留め姉妹
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十・青い、とりちゃん

十・青い、とりちゃん



   ぶるるるんー・・・・・・  ぶうん・・・・・・

   きいっ   がちゃ  ばたんっ

   ととっ  ととっ  ととっ  ガチャリッ


 車をガレージに停め、玄関の戸を開ける小紅。


「ただいまぁ。優璃、帰ってるの? ・・・・・・ごめんねー、遅くなっちゃった!」

「おかえり、ママ!」


 優璃が、リビングからぽてぽてとスリッパの音を立て、玄関で小紅を出迎えた。

 小紅は、買い物袋と茶封筒を優璃に預け、靴を揃えてシューズラックに置く。


「だいぶ、時間かかったね? お姉ちゃんの進路の話?」

「そっ! まったく、紅葉のことで、先生たちも大変。・・・・・・で? その紅葉は、また今夜も帰ってこない気なのかしら? まったくもう、何なのよー・・・・・・」


 小紅は、溜め息をつきながら、優璃に預けた買い物袋を再び受け取り、すたすたとキッチンへ向かった。


「ママ、こっち、ゆりがやっておくから。お魚は、冷凍?」

「あ、普通にチルドでいい! ごめんね。あたし、洗面所で手洗いしてくるからー」

「はぁい。やっとくー」


 優璃は鼻歌を歌いながら、冷蔵庫に卵や魚をしまっていく。

 冷蔵庫の中には、挽き肉や鯖の干物、納豆にめかぶに明太子。そして、大量の一食うどんが入っている。


   ・・・・・・すたすた  すたすた  すたすた


「ごめんね、優璃。勉強中だったでしょ?」

「ううん。だいじだよー。今ね、ぴーちゃんのお水を取りかえてたところだったの」


   ぱたぱた  ぱたぱた  ぱたぱた


 リビングの脇に、鳥かごがある。

 その中には、ブルーの体に白い羽のセキセイインコが一羽、ちょこんと留まり木にとまっている。


「ぴーちゃんね。あ! 鳥のエサ買ってくるの忘れちゃったな」

「だいじだよ。ママ、明日ゆりが帰りに買ってくるからー」

「そう。・・・・・・じゃあ優璃、あとはママがやるから、勉強、続けて?」

「はーい。よろしくぅ! あ! ぴーちゃんね、また新しい言葉覚えたんだよー?」

「え? 何よ? そんなに頻繁に、何か教えてたっけ?」


 優璃は、インコへ指を近づけ、くちばしを撫でてあげた。


「ぴーちゃん? ほら、新しい言葉はー?」

「ピョル。ピョルル。・・・・・・マッタクモウ! ナンデアンタハ! ナンデアンタハ!」

「はぁ? な、なにこれ? もしかして、あたし? ・・・・・・はぁーっ・・・・・・」


 小紅は、苦笑いをしてキッチンへ戻り、エプロンをして夕食の準備に取りかかった。


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