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夢見が悪い。リディアは、のんびりと朝食を摂りながら顔を顰める。


そう言えばあれから叔父と会っていないな、と思った。まあ、顔など見たくないからいいのだが……。


あの後、ディオンから婚約に付いて聞かれて『婚約を受ける』と言ったら、何故か物凄い剣幕で怒られた。最終的に『そんなに嫁ぎたいのか‼︎』と怒鳴られ、リディアも苛々が達し『そうよ‼︎悪い⁉︎ディオンには関係ないでしょう⁉︎兎に角私は、この話受けるから‼︎』と言って大喧嘩になってしまった。


何故、そんなに怒るのか……リディアには理解出来なかった。叔父には腹が立ったのは事実だが、強ち間違った事ではない。


確かに、グリエット家の血を一滴たりとも引いていないリディアが、何時迄も屋敷にいるのも迷惑だと思った。父と結婚した母もいない訳で、父すら亡くなりディオンがリディアを世話する謂れはない。


だから、先方がどうとか関係なく話を受ける事にしたのだが……結局は婚約破棄されてしまい出戻る結果になった。あれだけ息巻いて実家を出たのに……情けない。


だが意外な事に多少悪態は吐かれたが、兄は普通に受け入れてくれたのだった。未だにそれが分からない。


「どうしてお前は、奇麗に食べられないんだよ」


ディオンは、リディアの口元についたクリームを指で拭いそれを舐めた。


「な、何するのよ‼︎」


「口に付いたクリームを取ってやったんだから、ありがとうございます、だろう?後、おはようございます、お兄様は?」


「オハヨウゴザイマス、オニイサマ」


「可愛くない」


そう言いながらディオンはリディアの隣に座る。


「ねぇなんで、横に座るの……」


「別に?」


ディオンの前に、見計らった様にシモンがお茶を出した。それをディオンは優雅に啜る。


その様子をリディアは横目で眺めていた。何だか最近妙に距離が近い……何故。


そのまま暫く眺めていたが。ある事に気が付いた。


「今日お休みでしょう?出掛けるの?」


部屋着ではなく、確りと身なりを整えている。明らかに外出用の服を着ていた。


「あぁ、ちょっとね。だからお前もさっさと支度して来なよ」


リディアは意味が理解出来ず首を傾げた。するとディオンは、頬に手を伸ばして撫でる……のではなく摘んで伸ばした。


「なにしゅるのよ……」


上手く喋れない。


「相変わらずその頭は察しが悪いね。一緒に出掛けるから、さっさとしなよって言ってるんだよ」


今度はリディアは目を丸くした。




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