真の勇者は王様
「お言葉ですが、なぜ勇者という理由で僕が魔王討伐の旅に出ないと行けないのでしょうか?」
「それが勇者である貴様の務めだからだ」
とても広い部屋ー
部屋の大半が黄金で、大きな扉からおそらく十数メートルほどだろう。そこには金と赤を基調とした王座がある。
そこにふたりの男が居た。ある男は冠を頭にのせ、赤を基調としている服装で王座に座り、ある男は腰に剣を携え青を基調とした服装に革のブーツを履いて王座の前に跪いている。
「勇者というだけで国がかかっている大事な旅を"務め"という言葉だけで任せていいのですか?」
「……」
「魔族の方には魔王とその元につく幹部や魔族だけ、人族のような勇者と呼べる立ち位置の者は存在しません。」
「…何が言いたい」
王座に座っている男は睨みつける。
「ハッキリ申し上げますが、勇者という"ただ1人の人間"の力に頼らず魔族のように王様が直々に行かれてはどうでしょうか?」
「では貴様は戦場で儂が死んでも問題は無いと思っているのか?」
男は声を少し荒らげながら問う
「そういう訳ではございませんが、魔族はこの国と争っています。それなら国の代表として王がこの争いを鎮めるのは当然かと」
「…」
「勇者という者が現れたなら国民は安心するでしょうが、もしすぐに討たれたと聞かされたらどう思うでしょうか」
「おそらく大半の者が"死"もしくは"絶望"だと思います。」
「国王が討たれたとなっても結果的にはそのようになるではないか、勇者よ貴様は国王が討たれても国民はどうも思わない。そう思っているのか?」
王と呼ばれる男は勇者と呼ばれる男にまた問う。
「いえ、それは混乱するでしょうが"人類の希望"が討たれる訳ではないのでもし国王が討たれても勇者への期待が膨らむだけかと」
「そうかもしれないが政治等はどうなると思う?」
「それは女王様がいらっしゃるではないですか」
「だが仮に儂が旅に出て討たれた場合勇者、貴様が出ても実力不足であろう。」
「なので王が旅をしている間こちらはこちらで実力を上げるのです。」
「…」
王は完全に言い負かされた。
「では、話は以上です。」
「待て!話はまだ終わっておらん!!」
そう言いながら勇者は王城から去って行った。
「…セバス今から緊急会議を開く。女王、騎士団長、魔法団長それから使用人達を呼べ。」
「かしこまりました。」
こんばんは葵かるらです。
こと作品は2021年から物語を進めていきます。
2021年のいつから進めるかなどは決まってないのでできる限り早めに進めて行きたいと思ってます。
基本20:00に投稿をしていく予定なので皆さん待っていてください!