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5/疑惑と談笑【修正版】

いつもビクビクしている事その4。


リラックスしている時、脳内牧場には花が咲き乱れます。

自分の場合、それが風呂場。


「こうしよう」「この掛け合い面白いな」と妄想を膨らませて、

すぐ筆を走らせると「あれ、こんな感じじゃなくね?」ってなります。


やっぱり骨がしっかりしてないと、

肉付け(セリフや展開)がうまくいきませんね(苦笑)

●ファーストフード店


 後悔先に立たず。

 他人の秘密を知ってしまうと、余計に気を回す事が増える。

 

 いや、そんな考えも蛇足にすぎない。

 なにせ文字通り、余計なお節介に近いのだから。


「お待たせしました。お次でお待ちのお客さ――」

「――お疲れ、大峰」

「え、シュン!? なんでいるのッ!?」


 注文カウンターに並ぶ事、数分。

 順番になり、カウンター越しにエリコと向き合うシュン。

 

 エリコ、薄い小麦色のシャツに身を包んだ制服姿。

 バイトしている様子は初めて見たが、明朗快活な容姿が際立つ。


「冷やかしにきた。それと少しの休憩」

「あ、ん、た、ねぇ。バイト中じゃなきゃ蹴飛ばしてるわよ?」

「おお怖い怖い。けど、とりあえず注文頼むよ。な?」


 実際、それほど腹が減っているわけではない。

 居座る駄賃とばかりに、コーヒーと軽食系を頼む。

 

「はい、かしこました。コーヒー、ホットのMサイズ。ベリーパイをお1つですね」

 

 手早く注文と会計も済まし、右に反れる。


「いてもいいけど、バイトの邪魔とかしないでよね?」

 

 ああ、とシュンは頷く。

 背後にいた注文待ちの客が、シュンのいた場所に流れる。

 エリコも目くばせを送りながら、次の接客に集中した。

 

 店内、客が密集していない所をあえて選ぶ。

 配膳トレーを置くと、シュンは小さくつぶやいた。


「…………いた?」

『ええ。厨房の奥、この間のストーカー男を発見』


「どんな感じ?」

『んー制服着てても顔の野暮ったさはわかりやすいわよねぇ』


「いや、見た目じゃなくてさ」

『今は仕事してるからエリコちゃんにチョッカイ出している様子はないわよ?』


「……そう、か」

『ふふ』


「他には何かわかる?」

『手洗い場の鏡だと横顔くらいしか見えなくて……ちょうどいい角度がないのよね』


 ちょっと待ってて、とムラサキの気配が消える。

 シュン、コーヒーと軽食を胃におさめつつ、数分が経った。

 あらかじめ、カードくらいの大きさの手鏡を手元に出しておく。


 お待たせ、とムラサキが戻ってくる。

 ゆらり映りこむ、小さな姉の姿。


「名札には海藤マサキって書いてあったわ。それも副店長。ぱっと見、黙々と仕事してるけど……」

「けど……?」


「目線がイヤらしいのよ。何度もカウンターの方をチラ見しててさ」


 目当ては大峰エリコだろうか。

 仕事中はカウンターとキッチンで隔てられているが、何かと気にしているようだ。


 やはり穏便には済まなそうな印象がある。

 昨日の今日で、心配になって来たものの。

 もう少しエリコの身辺について、詳しく調べた方がよさそうだ。



●ファーストフード店前(夜)


「んで結局、時間潰して私の事を待っていたと?」

「まぁ、そういうこと。迷惑だったか?」


「迷惑じゃないけど、さ。携帯見たら、店の近くで待ってるとか連絡来てたし……心の準備というか、違った意味で迷惑かけちゃうというか……」


 と、退勤したばかりのバイト先の方を見ながら、言いよどむ。

 

 おそらくストーカー男の件だろう。

 監視されているのではないか。

 巻き込んでしまうのではないか、と心配してくれているらしい。


「いいだろ、別にたまには」

 

 それにこれから遊ぶために合流したわけではない。

 ただエリコの家まで送るだけだ。


 気まぐれだよ、と装うシュン。

 エリコと一緒に歩き始める。

 難しい顔をしながらも、時々、破顔するエリコ。

 

 とりとめのない事を話しながら、帰路につく2人。

 とても短く感じる、談笑の時間だった。

読了、ありがとうございます。


設定が先走った内容になりますが、今作は簡単にまとめていきたいと思います。


生暖かく見守っていてください。

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